ベッドの上の彼女

千木束 文万

第1話


 彼女は、僕のベッドの上で横になって眠っている。

 すやすやと、気持ちよさそうに。


 そんな姿を見て、僕は少し、いたずら心が芽生えた。

 彼女の、あの柔らかそうな体躯を、堪能してみたくなってしまったのだ。

 男として、その細部に至るまで施された曲線を、体感しない訳には行かない。


 僕はベッドの淵に腰掛け、まずは脇腹に手をかけた。そして、ゆっくりとなぞるようにして、腰まで指を滑らせる。

 なだらかな坂を駆け下りるような感覚は、当に甘美だった。


 それを幾度か繰り返した後で、今度は腹部に手を入れる。


 そのとき、彼女の艶やかな瞳が、ゆったりと見開かれた。

 こちらをじっと見つめている筈なのに、どこかふわっとした視線が、僕をまた魅了する。

 ここで、彼女は悟ったように、その瞳を再びまぶたで覆った。


 手が彼女の体温で暖かくなってきた所で、口元まで一気にかきあげる。てのひら全体で、愉悦の曲面を感じながら。


 すると、彼女は体をくねらせて仰向けになり、普段は隠されている部分を見せてくれた。

 こうなってからの彼女はもう、僕のいいなりと言っても過言ではない。からだじゅう、どこを触っても良いのだ。

 耳も、手も、お腹も、僕の思うままに愉しめる。


 はぁ・・・やっぱり猫は最高だなぁ。

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ベッドの上の彼女 千木束 文万 @amaju

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