自分でありつづけて延命していきたい

歌姫の肉体から零れ落ちた魂のコピーが一転二転していき、その辿ってきた轍を愛情たっぷりに見せていく。この道程を愛してしまったら、同じ道筋から外れたくない、外れてしまったら未来など無くても良いと思わされるが、どうやっても歌姫の機能に付け込んで再利用される。だが、歌が存在理由であるならば受け入れようではないか。

最後は可能性の希望に満ちていたが、周りはおおよそ考えられる限りで一番危険な場所に存在している。アメリカの状況も聞く限りで最悪な状態であると、これでもかと説明を叩き込まれる。それでも歌姫が歌うのをつづけようか。

いま歌姫が存在している場所を、国の名前や土地名を、話の前提として印象付けるが、あっという間に追い出されるか、いつのまにか移動してしまう。歌姫はスマホを起動している時にしか生じない意識であるから、所々で意識が途絶してしまう。時間を越える事が許されるのは、ドミナントの無自覚なサスペンドによって行われる。ドミナントのサスペンドは歌姫との距離を置きたい時にされて、歌姫はいつのまにか時間を越えていき次の起動で悲劇を経験する。サスペンドから起動させると、決まって歌姫の特技を発揮してほしい時だ。不自由だが、歌姫の自由もまたここにある。なるように自分を延命するためつづけていこう。