映画を観に行っては個人的な感情が生じて仕方の無い人間の為の小説

「映画を観に行く」という話に引っ掛かる物を感じた人は是非とも読んでみてください。
大林宣彦の作る映画のような生死の境目が無い混ぜこぜの世界観かと思いきや、キッパリと線引きがされている。その線引きを確実に引いた瞬間に、生きている事でしか得られない感情や体験があると生々しく鮮烈に表現していた。それ故、ビターで突き放される感触を感じるが、今この小説を読んでいる事で得られる感情こそが生きている証拠なのだと同時に実感させられもした。
ナルセさんは最近観た『天気の子』の小栗旬と重なって、小栗旬が声を当てていると解釈して読み進めた。

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