第4話 放課後の呼び出しは期待する!
二年生になってまだ一ヶ月も経っていないが、一年生の時に比べて女子の友達が増えた。
どの女子も美少女で、手の届かない高嶺の花みたいな存在だが、何故か俺に近寄ってくる。
学校も終わり、下校時間になったので下駄箱に行き、靴を取ろうとした時のことだ。
紙の切れ端のような物に小さく文字が書いてあった。そこには、「屋上で待っています」と、書いてあった。
(な! ? 俺にも遂に春が! ! )
なんて希望を少しは持ちながら俺は屋上へ向かった。
ー ー ー ー ー
屋上のドアを開けると、見たことのある後ろ姿がそこにはあった。
「あ、清水! 来てくれたんだ」
! ?
(おいおい!まさかあのメッセージを書いた主って……)
「美坂! ? お前があのメッセージを残したのか? 」
「うん! そうだよ! 回りくどいやり方してごめんね! 」
「いや、まあいいんだが。でも、なんで俺を呼び出したんだ? 」
「それは……。女子が男子と二人っきりになって言おうとすることの内容くらいわかるでしょ! 」
(まじ! ? まじなのか? 美坂が俺の事を? )
「それってつまり、こ……」
「私の彼氏のふりをしてくれない? 」
「へ? 」
(いや、口からはへ? って出たけど、心の中では、はーーーー! ! ! って感じだよ! 期待させてそれかよ! )
まあ、なんか変だとは思ってはいたが。
「彼氏のふりって、なんで俺なんだ? 」
「実はさ、私の周りって何かあると告ってくる人たちばっかりなの。だから、仲の良い清水なら大抜擢! ! ってわけ! 」
まあ、ふりくらいならいいと思うが、その分俺にかかる負担というか、嫉妬やらなんやらの男子の溜まった想いが爆発しそうでこわい。
「でも、彼氏のふりくらいなら俺じゃなくても、もっと頼れるやつくらいいるだろ? なんて言ったって轟姉妹とお前は二年でもっとも美少女って騒がれてるじゃんか」
かぁ/ / /
「な! そんなこと言われても全然嬉しくないんだから! 」
「ツンデレのテンプレの反応だぞ、それ」
「う、うるさい! 」
(なんだ? 心なしか顔が赤いような? )
「なんだ、可愛いって言われて照れるって、案外可愛いこあるんだな! 」
「っ! ! !」
照れを隠しきれない美坂は俺の脛を思いっきり蹴った。
「痛ってぇ! ! なにすんだよー」
「あ、あんたが変なこと言うからでしょう? 」
「そんな変なこと言ったっけ? 」
「もう知らない! 」
なんなんだ一体。
「それで、彼氏のふりってのはした方がいいのか? 」
「し、清水がいいなら……」
「まあ、ふりくらいならいっか! よし! 手伝ってやるよ! 」
こうして俺は美坂の彼氏(仮)になったのだった。
僕を救ってくれたちょっと変わった美少女たち 蒼井子猫 @kaikai0428
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕を救ってくれたちょっと変わった美少女たちの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます