死んだはずの令嬢
先程、専属メイドのメリーに刺されて死んだと思われたアリアが、地面に顔が完全に埋まってしまっているメリーをジト目で睨んで
「あんたって本当にあぁいう役の演技上手すぎて若干引いたわぁ〜……」
と、本当に刺されたのか疑問に思うぐらい、しっかりした声色で答えた。しかし、もっと疑問なのは……
「お言葉ですがお嬢様。お嬢様は逆に大根過ぎますよ。王太子様方に詰め寄るシーンも若干棒読みでしたし。私、バレるんじゃないかってヒヤヒヤしましたよ」
先程まで顔が地面に埋まっていたはずのメリーが、いつの間に脱出したのか、ちゃんと二本足で地面に立っていた。しかも、驚くことにその顔は傷どころか土1つついていなかった。
「仕方ないでしょ。演技なんてやった事ないんだから。あれが私の精一杯よ」
アリアは軽く溜息をついてそう答えた。メリーの謎については最早いつもの事なので、アリアは一切ツッコミをいれない。
「しかし、今回の計画を言い出したのはお嬢様ですよ」
「いや……まぁ……それはそうなんだけどさぁ〜……」
アリアは溜息をついて、自分が刺されても今尚行われているであろ夜会の会場になってる王城を見つめる。
アリアには、今回自分が婚約破棄されることが分かっていた。分かった上で今回の芝居をメリーと行ったのだ。その訳とは……
色々ありな令嬢と尻好き変態メイドの物語 風間 シンヤ @kazamasinya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。色々ありな令嬢と尻好き変態メイドの物語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます