優しい便りを書く時は

優しい便りを書く時は

硝子のペンとブルーの洋墨インク

小花模様の便箋びんせん

心を込めて、ゆっくりと


あなたのことを想いつつ

あなたの姿を目に浮かべ

あなたの声に応えるように

微笑みながら書くのです


優しい便りを書いたなら

大事にしていた昔の切手

歪まぬようにきちんと貼って

しっかり封もいたしましょう


それから海へと向かいます

波打ち際の砂の上

そっと置いたら優しい波が

海へと便りを届けてくれる


ああ、もうあんなところまで

ゆっくり揺らいでほどける紙と

滲んで流れる文字たちも

きっとあなたに届くでしょう


いつかあなたに届くでしょう

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