使用者に、お伽噺にちなんだ異能力を発現させる麻薬【DOF】。
能力持ちの狙撃手ユーシアと相棒の暗殺者リヴは、
犯罪都市ゲームルバークで、アリスを探す。
序章は何かシリアスっぽいんですが。
いや、背負ってる事情は実際シリアスなんですが。
第1章から、倫理とかモラルとかいう概念が
全部ぶっ飛んだ会話に笑えます。
リヴ君の行動原理がむちゃくちゃ過ぎて、
ユーシアが常識人に見えてくる。
いや、ユーシアも充分おかしいんですけど。
この二人が来てから、この都市の人口、何人減ったんだろう……?
麻薬と犯罪は現実世界では真似しちゃダメですが、
常識人の存在しないこの世界は、めちゃくちゃ楽しいです。
オススメ!
おかん気質の狙撃手、白い死神ユーシアさんと、
殺意だだ漏れの暗殺者、黒いてるてる坊主リヴくん。
二人は、おとぎ話の異能を持つ魔法の薬の常用者。
倫理がどっか行った都市ゲームルバーグで、“アリス”を捜して回っています。
物語の始まりは、虐待被害にあった少女の救出。彼女に同情(?)し、父親を懲らしめに行く展開に、なるほど悪に手を染めながらも弱きを助け強きを挫くダークヒーローものなのかな、と思ったら……
とんでもない。この二人、正真正銘の悪人です。
自分に正直な二人は、いくら犯罪都市といえどもやり過ぎじゃない!? とツッコミたくなるほど自分勝手に暴れ回ります。
個性たっぷりで、倫理観が欠如しているのに不快感のないキャラクターたちと、緊迫したシーンでこそ交わされる間の抜けた会話が見処です。
会話を追っているうちに、気づいたら物語に惹き込まれていました。
アウトローな二人の愉快・痛快復讐劇。
是非一度ご覧ください。
あ、でも15歳未満の方にはオススメできませんので、ご注意を。