1944年末〜45年初頭、ドイツが連合軍の反攻に押し潰されまいともがいていた期間を舞台とした、1人のドイツ空軍パイロットの物語です。
彼は乗機Bf-109Gの機動性と大口径機関砲を愛し、B-17の迎撃に散っていく仲間たちを憂い、ろくな訓練もなしに新米パイロットを前線に送り出す空軍の惨状や上層部の無能を呪いながら戦っています。対戦闘機戦闘を待ち望んだ彼にとって、連合軍の前線基地を狙ったアルデンヌの一大攻勢はまさしく決戦の場となります。
ゲシュヴァーダー、エクスペルテといったドイツ空軍ならではの用語がたくさん出てくるのも楽しく、作者さんの造詣の深さを窺わせます。
敗走していくドイツ軍の渋い空気を感じられる良作、当時の欧州空戦を知りたい方にもおすすめしたい作品です。