その言葉は言わないで

水瓶と龍

「ねぇ、電気消そう?」

 彼女は、まるで甘すぎるチョコレートがこびりつく様にベッドの中で俺にそう言った。

 いいよ、と言いながら俺はベッド脇の照明ボタンのスイッチをオンからオフに切り替え、明かりを落とした。

 そうして視界が無くなった空間には、裸になった俺と彼女とが世界から切り離されて、二人だけで空に浮かんで行ってしまっている様な、特別なモノへと進化していった。

 俺は彼女の手を優しく包み、彼女もまた、俺の手を優しく包み返す。

 ただそれだけの行為なのに、まるで俺たちは今までずっとそうやって、体の一部を通して繋がり合っていたかの様な錯覚すら覚える。

 彼女が小さく笑う。

 俺は彼女の上にまたがる。

 彼女は、その後に備えて全身の力を抜く。

 防御を解いた彼女に向かって、俺はゆっくりと体を近づけ、足や胸が触れ合うと俺の理性は徐々に解放されて行く。

 そして、少しづつむき出しになっている本能に従い、彼女の唇にそっと俺の唇を触れ合わせる。

 初めは、掠るほど。

 そうして何度か触れ合わせると、彼女の口が開き、中から彼女の舌が伸びてくる。

 俺は、それに対して俺の舌を差し出し、優しく触れ合わせる。

 何度か挨拶の様な軽い触れ合いをお互いの舌と胸に響かせたところで、俺は一気に彼女の舌を吸い出し、激しく絡み合わせ、手を強く握った。

 彼女も俺に背中を押されたように、さっきよりも長く舌を出し、彼女も懸命に舌を激しく絡ませてくる。

 俺は彼女の右手からそっと手を離し、彼女の左の乳房へと手を伸ばす。

 彼女に体重がかからない様に細心の注意を払いながら、彼女の乳房を下から優しく包むように掴む。

 彼女は言葉にならない声を上げ、少し体を反応させる。

 俺は彼女の舌を絡めとったり、吸い上げたりしながら、右手で掴んでいた乳房を優しく撫でまわす。

 彼女は乳房を撫でまわす俺の手が、その頂上に近づくたびに声を上げ、体を仰け反らせる。

 俺はそんな彼女の頂上をかすめるようにして、右の乳房へと移動する。

 俺の右手が、硬くなったそれに触れた時、彼女ははっきりと声を上げた。

 俺の手が彼女の右の乳房に移動したときに、俺は彼女の舌を吸い出すのを止め、彼女の首筋へと移動させる。

 彼女の細くて綺麗な首筋を下から舐め上げる度に、彼女の荒くなった吐息が俺の耳にかかる。

 俺は、その吐息が耳にかかる度に爆発しそうになる理性を押さえ、優しく乳房を撫でまわし、ゆっくりと舌を這いずりまわし、左手で彼女の手を強く握った。

 彼女の腰が何度目かに浮き上がった時に、俺は彼女の乳房の頂上を指で軽くつまんだ。

 硬くなったそれをつままれる度に、彼女は声を上げる。

 俺は首を這いずらせていた舌を、乳房へと移し、無防備になっていた左の乳房の頂上を優しく舐め上げた。

 彼女はまた腰を浮かし、声を上げる。

 俺は彼女の手を掴んでいた手を離し、浮かび上がった彼女の腰の下に両手を入れて、全身を強く抱きしめた。

 彼女の声はどんどん荒く、変化していく。

 彼女の胸元に浮かび上がった汗を舌で吸い取り、また、彼女の頂上へと舌を向ける。

 彼女の浮かび上がった腰を掴んでいた右手を離し、彼女の最下部、股の間へとその手を伸ばす。

 ゆっくり、ゆっくりと。

 彼女にその行動が悟られた後も、それを彼女に見せつける様に、わざと、ゆっくりと移動させる。

 俺の右手が彼女の最下部へと到着すると、その、濡れたモノの周りを優しく、彼女自身を濡らしているそれを、ゆっくりと広げる様に優しく撫でまわす。

 その最下部の中心に近づくにつれて彼女は声を上げ、腰を浮かび上がらせる。

 俺は、その最下部を下から撫で上げる。

 彼女は俺の手が、下から中心に移動する毎に強く声を出し、撫で上げる時には、声を上げるのと同時に腰も浮かび上がらせる。

 何度もそれを繰り返している間も、俺の左手は彼女の乳房を優しく撫でまわし、その頂上では時に優しく、時に強く、つまみ上げる。

 彼女の最下部を撫でている俺の右手が、彼女の体液でべっとりと濡れた頃に、彼女は自身の最下部の中枢へ、俺の指を入れる様に甘い声で誘惑する。

 そんな声に抗う必要も無く、また、抗える男などこの世に居ない。

 俺は彼女に言われるがまま、彼女の中枢へと指をゆっくり入れる。

 彼女自身の体液によって、滑らかになっていたその中枢への侵入は容易く、俺の指が一本奥まで入ったところで、彼女の中枢がギュッと閉まっていくのが俺の指を伝って来た。

 彼女の最下部の中枢は、ギュッと閉まったり、緩んだりしている。

 俺はその中枢の奥から手前へ、そしてまた奥へと、ゆっくり前後に指を動かす。

 動かすたびに彼女は声を上げ、彼女の中から体液が溢れ出てくる。

 たっぷりと体液が出た所で、俺は指を抜き、彼女の最下部に体を持っていき、そこに舌を這わせる。

 彼女は俺がそこをべっとりと舐めまわすと、激しく出ていたさっきの声とは違う、甘い声を上げるようになった。

 そして、その最下部の上の方で硬くなっているそれを強く吸い込むと、彼女はまた強く大きな声を上げる。

 吸い込んだまま舌で激しくそれを舐めると彼女の腰は激しく浮かび上がり、俺の口から逃げようとうごめく。

 俺はそんな彼女の腰を右手で抱きしめ、優しく包む。

 彼女から体液が溢れ続けているのを確認して、俺は彼女の最下部の中枢へと、二本指を入れた。

 彼女は俺の指が、中枢に侵入すると同時に今までに無いくらいの声を上げ、腰から背中を仰け反らせる。

 俺はそんな彼女を体を使い、動かない様にしてあげて、中枢に入った二本の指を彼女の中で遊ばせる。

 それは、ゆっくりと奥まで入れたり、手前の方で小刻みに動かしたり、入れたままわざと動かさずに、親指を使って硬くなっている最下部のそれを動かしたり。

 そして、彼女が一番声を高く上げるポイント、中枢に入れてからすぐ上の部分を、二本の指でかき回すようにして激しく動かす。

 彼女は、中枢から体液を飛び出させ、激しく腰を痙攣させ、男が最も歓喜に満ちる声を、狭い部屋の中に響き渡らせる。

 それは、男にとって、最高の序章を奏でられた証だった。

 彼女の声が掠れてしまった頃に俺はゆっくりと彼女の中枢から指を抜き、彼女の股の間に体を入れ、彼女の手を握り、優しく唇を触れ合わる。

 そして、俺のこらえられなくなっている欲望そのものを彼女の中枢に入れようとした時、彼女は言ったんだ。

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その言葉は言わないで 水瓶と龍 @fumiya27

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