第6話 訓練開始

 体が優しく揺すられ、柔らかな声に呼びかけられる。


「──様。───さい。─カワ様。クロカワ様、起きてください。朝食のお時間です。」


 朧気だった意識が徐々にハッキリしてくる。


「──っん、う、ん。」

「あぁ、起きられましたか。おはようございます、クロカワ様。昨夜は随分とお疲れのご様子でしたが、大丈夫ですか?」


 そう言って微笑んでくるのはエリーゼさん。

 俺はいつの間にか寝てしまったらしい。

 いつ寝入ったか全く覚えていない。

 かなり深い眠りだったようで頭が鈍く重い。


「あぁ、おはようございます。エリーゼさん。起こして頂きありがとうございます。体の方は大丈夫ですよ、寝たらスッキリしました。」


 俺の言葉にエリーゼさんは微笑む。


「左様ですか。本日の予定ですが、今日から勇者様方の訓練が始まります。ですので朝食後に各教官の紹介があります。」


 あぁ昨日第二皇女殿下が言ってたね。

 各教官、というと昨日隣の部屋のメイドさんが言ってた人達か、一人はエミリーさんだけどそれ以外覚えてない人達。今日を機に覚えよう。


「あぁ、わざわざありがとうございます。」

「いえ、仕事ですので。」


 愛想笑いとともにサラッと返されながらベッドをおり体を伸ばす。

 腰や背中からポキポキと子気味のいい音が鳴る。


「そうか…今日から訓練か…。」

「何か?」


 俺の言い方に含みを感じたのかエリーゼさんは訝しげな顔をしている。


「いえ、向こうじゃロクに運動もしてなかったので少し不安がですね。」

「それならば座学系を中心に授けてみては?」

「うーん、それはそうなんですけど…。自分の天職上何が向いてるか分からないのでとりあえず全部授けておきたいな、と思っていまして。」


 そう説明するとエリーゼさんは納得した様子で頷いている。


「なるほど、得心がいきました。そうとは知らず、出過ぎた真似を致しました。大変申し訳ありません。」


 そう言って深々と礼をして謝ってくるので慌てて頭を上げさせる。


「いやいやいや、エリーゼさんの意見も参考になりましたし、全然大丈夫ですよ。」


 エリーゼさんは顔を上げる。


「本当でございますか?」

「本当ですよ。全然気にしてません。」


 そこまで言ってようやくエリーゼさんは元の表情に戻る。

 これ、さっきの演技だったとかじゃないよね。

 まぁいいや。

 朝食は昨日、夜に行った所と同じ場所で食べた。

 やっぱり超豪華だった。


 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


 朝食を終えたら中庭──いや訓練所か?──のような広場に案内された。

 どうやらここで紹介が行われるらしい。

 辺りを見渡してると聞き覚えのある声がした。


「江美!悠介!」

「っ!こうくん!」


 萩野さん萩野さん、俺も居るよ?

 でも二人とも元気そうだな。よかった。


「元気そうでなによりだよ、孝太。萩野さん。」

「そりゃこっちのセリフだよ。よかった…。」


 そう言う孝太の背後にメイドさんが居る。

 駆け寄ってきた萩野さんの後ろにも居る。


「いきなりメイドさんが沢山現れて、部屋に案内するって言われてさぁ、江美もどこ行ったか分からなくなったし、」

「それでこうくん見失っちゃって、晩御飯の時も探したけど見つからなくて、」


 カップルが二人で盛り上がってる。

 ていうか段々イチャつきになってきてるな。

 蚊帳の外に置かれていると呼びかけがある。


「皆様、お揃いのようですね。」


 バカップルのイチャイチャを見せられていたらいつの間にか集まっていたようだ。

 目を向けると第二皇女殿下が微笑みながら立っている。

 どうやら疲れは取れたらしい。スッキリした顔をしている。

 そんな彼女はもう一度こちらを見渡す。


「皆様。昨晩はよくお休みになれましたか?皆様には早速今日から訓練を始めていただくのですが、そのためにまずは各教官を紹介致します。」


 第二皇女がそう言うと鎧で身を覆った壮年の男性を先頭にした一団が広場に入ってきた。

 一番後ろには第二皇女付きのメイド、エミリーさんの姿がある。

 一団は俺たちの前に並ぶ。壮観だ。

 先頭を歩いていた鎧の男性が前へ出て口を開く。


「私はラインハルト・フォン・リッペントロップ将軍だ。帝国に忠誠を誓った帝国騎士団の団長を務めている。私は君達に剣術を教えさせてもらう。よろしく頼む。」


 おぉ、イケおじだ。

 白髪混じりの髪をオールバックにしている。

普段は好々爺で仕事となると威圧感の増す、そんなイメージ。

声は渋いバリトンボイス。大塚明〇さんっぽい。

若い頃はさぞモテたであろう。今も十分イケメンではあるが。


次に口を開いたのは騎士団長の隣に立っていた黒と濃紺の中間ぐらいの色のローブに身を包んだ男性。


「俺はジョージ・オルコット。宮廷魔術師筆頭をしている。俺は魔法を教える。よろしく。」


 こちらもイケメンだ。どことなく冷たい印象で

 目つきはとても鋭い、鷹の目ってやつだな。

 でも強者オーラは感じる。

 あとこういう人って効率厨が多いと思っている。

 偏見だけど。


次に前へ出たのは黒と紺の軍服に身を包んだ女性。


「私は帝国軍戦闘顧問兼最高司令官、アメリア・ミラーだ。格闘術を教える。勇者様といえど訓練は容赦はしない。よろしく頼む。」


凛としていて、声にハリがある。

燃えるように赤い髪の毛は肩で切りそろえてある。

背は高く体は鍛え抜かれているのが服の上からでもわかる。まさに、軍人といった雰囲気だ。

あと、そこそこ胸は大きい。

最後に口を開くのはエミリーさん。


わたくしはアレクシア殿下のメイドをしておりますエミリー・フォン・コーブルクと申します。同時にメイドの長も務めております。皆様には座学や礼儀、作法について教えさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。」


優雅な礼カーテシーをして締めくくる。

改めて見るとめっちゃ美人だな。

ん?あれ?一人足りなくね?

確か昨日盗み聞きしたきいた話だと錬金術師が居るはずなんだが……。

俺の疑問を解決してくれたのはエミリーさん。


「また、今ここには居ませんが帝室直属の錬金術師であるソフィア・モーガンが皆様に錬金術をお教えします。彼女は常に研究室に居ますのでメイドに言えばご案内するよう言ってあります。」


へぇ研究室。

というか常にって…引きこもってるのか?

物語の中とかでも錬金術師には色んなタイプがいるからなぁ。

実際に会うまでどんな人か予想しておこう。


「では、皆様。それぞれ受ける項目の教官の前へ行き、訓練を始めてください。」


第二皇女から指示が出される。

とりあえず、今回は──座学。


「さて、俺は剣術に──ぐえっ。」


剣術に行こうとしていた孝太の襟を掴み、エミリーさん近くへと行こう────。


「ぐえっ」


今度は俺が変な声を出した。

孝太が全く動かなかったからだ。

孝太が不思議そうな顔でこちらを見ている。

え?なんで?

すぐに理解する。


「あ、筋力……。」


俺のつぶやきに孝太も納得したような顔をする。

なんてことだ……。

こんな所にまでステータスの影響が。

とりあえず孝太に説明をしよう。


「孝太、いいか?俺たちは戦う術の前にまずこの世界について知る必要があるだろう?」

「あぁそれもそうか。」


案外すんなり納得した孝太とエミリーさんの元へ歩く。

もちろん、萩野さんも一緒。

近くに辿り着くと女子しかいなかった。

だいたい3分の1ぐらいか?

見回すと男子の大半が剣術、少数が格闘術。

女子はここにいる者以外全員魔法へ向かっている。

うーん、わかりやすい。

格闘術へ行った者も何名か下卑な顔をしていたので分かりやすいものである。


「これで全員でしょうか。」


エミリーさんの言葉に何名かが頷く。


「左様ですか。では移動しましょう。」


移動し始めると女子の集団の中の一人がこちらに近づいてくる。


「あら、黒川くん。」


榊原だった。

こいつも座学を選んだ様だ。さすがだね。


「よぉ、お前もこっち来たのか。」

「当たり前よね。まず常識を知らないと。戦う術はその後よ。」

「そういえば神代は?あいつなら座学に来そうなもんだけど。」

「彼は剣術へ行ってもらったわ。」


行ってもらった?


「そりゃまたなんで?」

「男子が殆ど剣術に行ってたからよ。彼らをまとめる人が居ないといけないでしょ?」


格闘術は軍人さんの集まりっぽいし大丈夫でしょ。と彼女は言う。

それしてもこいつなんか疲れてね?寝不足か?

まぁ当たり前か。いきなり訳分からん所に連れてこられて、勇者だのなんだの言われたら眠れなくもなるだろう。


「なるほど、妥当だな。」

「でしょ?──それにしてもは変わらないようね。」

「は?何の話だ。」

「人と会った時に観察する癖よ。速いし地味だから分からない人の方が多いだろうけど分かる人にとっては結構不快よ?」


ぬ、バレていたのか。


「仕方ないだろ。癖は癖だ。……それに」


そこで一度言葉を切る。

顔が、目が、脳裏に蘇る。

クソ、嫌なモン思い出した。


「それに?」

「やめたくても、やめられるもんじゃねぇよ。」

「っ!」


吐き出すように言ったその言葉に榊原は悲痛そうな表情になる。

彼女はなおも言葉を募ろうとしていたがそれを無視して進む。

孝太たちは前を歩いていた。

近づいてくる俺に気づきニヤニヤしながら話がてくるもすぐに真面目な顔になる。


「よう、悠介…どうした?」


心配気な表情でこちらを見てくる。

しまった、顔に出てしまっていたか。

すぐに顔を取り繕う。


「ん?何が?」

「…いや、なんでもねぇよ。それより、どうだった?」


誤魔化せたか?いや、これは気づかれてるな。

こいつ、結構鋭いからな。

話題を変えてくれたし、ありがたく乗らせてもらおう。


「どうだったって、何が?」


もう一度ニヤニヤした顔になった孝太が肩に手を回してくる。


「おいおい、さっき榊原さんと話してたろ。」


逸らした先の話も酷かった。


「何もねぇよ。」

「またまたぁ、あんだけいた中でお前だけに話しかけるなんて、何かあるんでしょぉ?」

「何も無いって。ただ話しかけやすかっただけだろ、あいつあれでコミュ障な所あるしな。」

「へ?嘘だぁ。そんな訳ないでしょ。」


だよな、信じる訳ない。

だが事実だ。

初対面の人や目上の人あまつさえクラスメイトでさえ緊張している。

もちろん表情にはあまり出ていない。

が、俺はあいつを幼い頃から知っているのでよく分かる。


「それがあるんだよな。」

「マジか、すっげぇ意外。」

「だろうね。」


あいつの分厚い面の皮を剥がしたと思うと少し笑ってしまった。

そうこうしているうちに到着し、大学の講義室のような部屋に入る。

各自好きな所に座れと言われたので適当に見繕って前から3列目のところに座る。

俺の左側に孝太、その左に萩野さんだ。

何故か右側に榊原が座ったが、気にしない。

俺たちの目の前にノートの様なものと万年筆の様なものが配られる。

エミリーさんが前に立つ。


「それでは、僭越ながら私から話させていただきます。」


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


「それでは、今回はここまでとさせていただきます。」


その言葉を皮切りに部屋の中の空気が弛緩する。

もう太陽(?)は高く昇って昼になっている。

この世界について色々知ることが出来た。

前提としてこの世界には俺達のいる国がある旧大陸と海を挟んだ向こう側に新大陸という巨大な二つの大陸があるらしい。

少し前までなら二つの大陸間を商人達や冒険者、旅行者が行き交っていたらしい。

しかし、ここで魔王の登場だ。

魔王が二つの大陸の間の海の上に通称『魔大陸』というそうな。

とんでもない話だ。

しかもその大陸の近くを通ると攻撃される、そのおかげで帰るに帰れなくなった人々が今もかなりいるらしい。

ちなみにこの世界、空路がある。

勿論、ファンタジーらしく飛竜を使ったものもあるらしいが、なんと輸送機や戦闘機などの航空機も存在するのだとか。さすがに音の壁は越えれないらしいが。

速度は速いものの特別な素質が必要らしい飛竜よりも、学べば基本的に誰でも乗れる航空機の方が一般的になり始めているらしい。

技術的には第一次大戦から第二次大戦までの間ぐらいの時代だろうか?


閑話休題それはさておき


ここノルゼーア帝国は旧大陸の中でも二番目に高い国力を誇る国家で、治めている領土は大陸の中で最も広い。エルフや獣人など様々な種族が暮らしているらしい。北には海があり海産物が豊富で帝国の二大産業の一つである。もう一つの方は『迷宮ダンジョン』が関係しているので後ほど。

先程『二番目』と言ったが大陸の中で最も国力のある国は『神聖アルバルーツ司教国』という国だ。

この国はその名の通り宗教国家で国民全員がその宗教の信者なのだとか。

やっぱりこの世界でも宗教は強いのか。

ではなぜ、帝国が二番目なのか。それは領土東側にある『魔の森』という場所のせいらしい。

『魔の森』とは昔魔王が息絶えた場所で、その魔王の魔力の残滓と怨念のお陰でその場所にあった森を生態系ごと異常に変化させたらしい。

その森に居る魔物は通常の個体とは比べ物にならないぐらい強力な個体が多いらしい。

そのため、国力をこの森の魔物を抑えるのに使っている。だから二番目なのだ。

しかもその森のある場所はちょうど龍脈──星自体の魔力の流れ──が通っている場所だったらしく

魔王の力が領土内全域に広がっているらしい。

その結果が『迷宮』だ。

『迷宮』では魔石──魔力の塊?──が大量に採れるらしい。

この国で航空機が発達した理由もこの『迷宮』で採れる魔石のお陰なんだとか。

この『迷宮』には『冒険者』と呼ばれる、まぁテンプレな職業の者たちも挑んでいるらしい。

この国の通貨は殆ど貨幣。たまに紙幣が使われる。

単位はゼーア。ちなみに1円=1ゼーアだ。

分かりやすくて非常にありがたい。

過去の勇者(おそらく日本人)が統一したらしい。

以上が今回知ったことだ。

まだ色々ありそうなので今度資料室にでも行こうかな?

それにも聞けた。

なんと、ステータスの数値はレベルを上げるだけでなく通常のトレーニングでも上がるのだそうだ。

レベルアップに比べたらかなり少ない量しか上がらないらしいが、基礎値が低すぎる俺にはまさに天啓であった。

午後からの訓練へのやる気が爆上がりである。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


午後は『格闘術』の訓練だ。

エリーゼさんに先導されて軍専用の訓練場へ向かう。

訓練場に入って目にしたのは──

様々な種族の人目見て軍人とわかる体格のいい男女が組手をしている手前で死屍累々たる有様で倒れ伏しているクラスメイトたちの姿だった。

俺もエリーゼさんも呆気に取られる。

そこへ横から声がかけられる。


「午後からの希望者か?」


声のした方を向くと今朝紹介された、『格闘術』の教官、アメリア・ミラーが立っていた。

こうして目の前にするとかなり圧がある。

相手は教官、腰は低く行こう。


「はい、黒川悠介と言います。よろしくお願いします。」


頭を下げて自己紹介をすると驚いた表情をされる。


「あ、あぁよろしく。午後からは基礎訓練をやるのだが…。」

「全然大丈夫です。自分で言うのも何ですが運動がてんでダメなので、基礎訓練でも着いて行けるかどうか…。」

「構わないとも、そのぐらいは配慮するさ。」


少し苦笑いで告げるとニヤリと少しも配慮する気のなさそうな笑顔で答えてくる。

冗談も交えた効果か、お互いの緊張も少し解れた。

とりあえず1番気になっていることを聞こう。


「あの、それで、これは……。」

「あぁ我々の通常の訓練を受けたいと言われたのでね。」

「な、なるほど…。」


こいつら馬鹿だろ。部活動とか授業で運動していたとはいえ軍式の訓練だ。一般人の俺たちがついていける訳が無い。


「ところで、君は格闘技か何かをやってたのか?」


クラスメイトたちに呆れているとミラー教官が尋ねてくる。


「どうしてですか?」

「いや、君の手足は一般人と比べかなり細く、筋肉も無いように見えるが、体重のかけ方が少し偏っているように見えてね。」


俺今何気に一般人以下扱いされなかった?

それしても……


「よくお分かりになりましたね…確かに僕は昔、合気道──僕の世界の武術を少しやっていましたが…」


ほんの少しの期間、しかも護身術程度で習ってた程度だったのに、一目見ただけでそれを見破られた。

この人とんでもねぇな。この世界の軍人さん皆こんな感じなのか?

ふと顔を上げると倒れ伏したクラスメイトたちもいなくなっている。

え?どこいった?


「君の友人たちなら運び出されたぞ、今ごろは医務室にいるはずだ。」


さすがに訓練の邪魔だからな。と教官は言う。

全然気づかなかったんだが…。

軽く戦慄しているとエリーゼさんが声をかけてくる。


「ミラー様。そろそろ訓練開始の時間ですが。」

「む、そうか。しかし…」


もう開始するというのに、俺以外居ない。


「僕は一人でも大丈夫ですよ?」

「む、そうか。それでは始めるとしよう。」

「よろしくお願いします。ミラー教官。」


さて、死ぬ気で頑張るとしますか。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


部屋に入るとすぐにベットに倒れ込む。

疲れた。

本格的なスポーツは疎か通常の授業でするような運動すらまともに出来ない俺には軍式の訓練はかなりこたえた。分かっていたことだが。

ちなみに加減をされている感じは全く無かった。

某海兵隊の訓練程では無かったが、それでも辛い。

もう手足の感覚がない。全身が重だるい。

あんなにキツい運動をしたのは久しぶりだ。

でも、いつもなら倒れるぐらいの運動をしたはずなんだが…倒れてない、何故だろう。スキルの恩恵だろうか。

益体も無い考えが浮かんでは消えていく。

あ、そうだ。

これだけは確認しておこう。

ポケットからステータスカードを取り出す。

ええと、どうするんだったか。

確か──


「ステータス」


──────────────

ユウスケ・クロカワ   Lv.1


天職:社畜


体力:13/52(+2)       魔力:80/80


腕力:27(+2)       防御:16(+1)


敏捷:32(+2)       精神:201(+1)


状態:疲労(極度)


──────────────────


「おぉ…。」


増えている。魔力以外は軒並み。

しかし増えている量は1か2、微々たるものだ。

レベルアップによる増量はこれの10倍ぐらいらしい。

そりゃ通常訓練が馬鹿らしくなるのもうなずける。

だが、俺にとっては確かな成長だ。

一気に成長するのも確かに楽しいだろうが、コツコツやる方が性に合っている。

地道に、一歩ずつやっていこう。




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少年、異世界で社畜になる。 KO^茶 @novasan

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