ある遺跡での資料

二と三と一

第1話 目付役の日記?

あまりにも横暴な!私は怒りに震えた。

彼女は私に何の恨みがあるのかね?


いとも簡単に言ってくれるではないか

彼女が異世界転生したとして私と同じように振る舞うことができたというのか?

いや、できるはずがない


私とともに来た転生者達とは別々にされそれぞれに役割を任せたようだ

いやはや、それなのに私はお目付係とはあまりにも面白くない。

私だって異世界に来たならば、可愛い女の子を口説いてみたり強さの探求に勤しみたかった。

だが現実は非情で私は第17皇女のお目付役。男爵家の令嬢と皇帝との間に生まれた彼女はあまりにも天狗すぎる。私としては保身のために鼻を伸ばさせずなおかつおらせず扱わねばならないというのか!


彼女は武芸堪能、学問無知、端麗。街を歩けば10人のうち8人は美しいと呟いてい舞うほどの姫であったが、私にとっては目の保養以外何の価値もないだろう。

私はロマンティストとは関わらない。己の身の程をわきまえているからだ!

そうだと私は自信を持って断言しよう。


実際、手を出した奴は広場に飾られているのだから。


彼女にとってお目付役は目障りではなくむしろ遊べて面白い話が聞けるおもちゃのようだ。

あるときは武芸の練習相手にされ、あるときは領地の揉め事を収めさせたり。私は何だか青い狸を思い出してしまった。私も悲しみで青くなってしまうのだろうか?


しかし、公職は捨てがたい。この異世界では元の世界のように労働者組合など存在しない。みんなが雇用主でみんなが労働者という共産主義を思い出す構図だ。


その中で唯一合理的な働き方をしているんが公職だけなのだから。休みは欲しい、安定した稼ぎ口が欲しいなら文官にでもなればいいのだが。


私はお目付役をやめられないみたいだ。

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ある遺跡での資料 二と三と一 @Sinrai

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