髪質
――武士の髪質は、一体どんなものだろう。ふとそんなことが気になった私は、現在進行形で胃炎で苦しんでいた。
ウィダーインゼリーしか受け付けない、贅沢な身です。あとはみんな門前払い。まあ何か食えるだけいいか。
「某の髪であるか?」
武士はせっせとホッカイロを出してくれながら、首を傾げている。しかし開け口がどこか分からず、手の中でくるくると回していた。いいよ貸せって。自分でやるから。
「ぬぬん、そうであるな……。そういえば、某が稚児の頃はツヤツヤのサラサラであった気がする」
マジかよ、お前その顔でツヤサラメンなの? 若干天パ気味のこちらとしては、羨ましい限りだ。
そして未だカイロは武士の手の中。業を煮やした奴は、力尽くで開けようとしている。
やめろって! それそういう開け方のやつじゃないから!
「誰かのるーるはいらない!」
僕らは泣くために生まれてきたわけじゃないってか! やめなさい、某名曲持ってくんの!
「ゆえに、某がもし丁髷以外の髪にするとしたら……そう、きのこへあよ!」
お前そんな願望あったんか! マッシュが悪いわけじゃないけど、お前のは死ぬほど見たくねぇな!
「ンぬおおおおおおーっ!」
ああああああ活性炭が部屋中にパァン!!!!
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