ゲームばっかしてる

 このご時世と私の体調を鑑みた結果、家でゲームをして過ごそうと決めた。が、残念ながらそうそうソフトを買う金があるわけではない。

 というわけで、実家からゲームキューブ(任天堂が2001年に発売した家庭用ゲーム機)(※Wikipedia出典)をいくつかのソフトと共に送ってもらいました。


「つくづく思うが、このげーむというやつは実に見事なものよな……」


 私の指示に従ってマリオを右へ左へ動かす武士が、呟く。


「某が思うた通りに動くのだ。ほれ、こうしてえーぼたんを押せば……」


 マリオがジャンプする。


「跳ねる」


 そうだな。お前が楽しそうで何よりだよ。


 ちなみに武士がやっているのは、往年の名作「ペーパーマリオRPG」である。64用「マリオストーリー」、Wii用「スーパーペーパーマリオ」と合わせて最新機移植版を私は永遠に待っている。スーパーペーパーマリオはやったことないんだよね……すげぇ名作らしいんだけど……。


「ぬぬ? このびびあんという娘、愛い」


 おお、そこまでいったか。うんうん、その子本当に可愛いよ。ネタバレしない程度に言うけど、ラストバトルではぜひメインで使ってあげてくれ。ただでさえ掴まれてた心臓、思いっきり引きずり出されたから。


「りす……?」


 うん、ごめんよ、まだ鼻声で。聞き取り辛かっ……いやどこ聞いてその小動物出してきたんだよ。


「しかし、げーむは良いな。実は某の近所にも、病弱な男児がおってな。なかなか外でも遊べず、他の子供が走っていく姿を見ては寂しそうにしていたものだ。故に某も時々遊びに行って、あやとりやこま回しをしたものだが……」


 へぇ、お前いいとこあるね。


「だがげーむがあれば、あの子はもっと楽しかったかもしれぬ。屋敷に他の子を呼び、共に遊べたかもしれぬ。なんにせよ、こうした遊びの手段の幅が広がるのは大変良い」


 ……そうだな。


「よって、げーむは某の持って帰るものの一つに含まれたのである」


 そんで自然に泥棒宣言に移るじゃん。

 いや使えないからね? あっち電気ねぇんだから。

 つーか持って帰るものって何よ。他に何持っていく気なの。


「どんぐり、にぼし、銀之丞、タコ助、ぺんぎん、冷蔵庫、でんしれんじ、そうじき、えあこん、もうふ、すまほ……」


 オイ後半ほぼほぼ使えねぇぞ!


「あと、こたつ」


 だから使えねぇっつってるだろげほがほげほ(咳)

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