銀之丞

「銀之丞は、やはり乳飲み子であろうか」


 ……。


 (念の為ここを読んでおられる皆様には付記しておくが、銀之丞とは先日買ったシルバニアファミリーのシマネコの赤ちゃんである。)


「どうであろうか、大家殿」


 ……いやー……どう、かな……。


 商品名……いやご家族からの紹介によると、赤ちゃんって書かれてるぐらいだしね。でも、もう立って歩けるし……あ、でもよちよち歩きかな。ならまだミルクの可能性はあるけど……。


「ぬ、やはりか。では哺乳瓶を都合してやらねばな」


 あ、そういう話ね。


「あとこれぐらいの時期は夜泣きもするものだ。揺りかごも買うてやらねば」


 詳しいね、お前。


「江戸にいた頃は何かと赤子を任されたのでな。扱いには慣れておる」


 え、そうなの?

 ご親戚の方々から? へー、意外なもんだ。


「ふふん、似た者同士は仲良しなのだ」


 お前向こうでもやっぱそんな感じだったのか。


「うむ! 故に赤子のことなら大家殿よりも詳しいぞ!」


 そりゃ頼もしいもんだ。

 で、なんだっけ。哺乳瓶と揺りかごだっけ。


「おお、買うてくれるのか!」


 流石に哺乳瓶の手作りは大変だろ。揺りかごも。いいよいいよ、家族なんだし。それぐらいは。


「かたじけない! あ、あとはぶらんこと、べびーげーとと、すべりだいと、お風呂せっとと……」


 いきなり欲を出すな!! 作れそうなものはお前が頑張れ!!

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