38 2020年は「ぐらんぶる」のVAMOS!の年だった、そう十年後に振り返ろう。

 エアコンの隙間から何か黒く照り光するものが見え、ゆっくりと重力に従って落ちていくと、それが蛇だと分かる。


 という動画を昔、見たことがあって、それを最近よく思い出します。

 エアコンをつけたまま寝るからでしょうか。

 もしも、エアコンから蛇が侵入していて、朝方に「ボトッ」と言う鈍い音がする。けれど、眠気には勝てずに確認しなくて、蛇が部屋を徘徊し、ベッドの布団に侵入したら……。


 そう考えるだけで、背筋が凍る思いです。ただ、ちょっと涼しい気持ちにもなるので、暑い日にはオススメのライフハックです。


 というのを思いついたのですが、流石にウケる気がしない為、誰にも話していません。まぁもう郷倉四季も結構な大人なので、滑ると分かっている話は自制します。

 当然です。


 最近、職場で研修などが始まったので、いつも気軽に喋れていた同期や後輩とは離れてしまって、絡みの少ない先輩たちと席が近くなることが殆どになりました。

 四十歳近い男性たちと何を喋るべきかと悩み、一時期よく行っていたオタク街コンの話をしたところ、結構な食いつきを頂きました。

 やった。


 オタクがモテる為にはどうすれば良いかは、永遠の命題のようです。話をした先輩は既婚者でお子さんもいるので、アナタはもうオタク街コンとか行かなくていいだろ、とは思った訳ですが。

 僕はまたオタク街コンとか行きたいですよ。

 はい。


 コロナの自粛の間にどんな漫画やアニメを見たか、って話は正直、聞きたいですし。

 僕は最近になって、ポケモンGOをちゃんとやり出しました。

 フレンド3人しかいないので、誰かフレンドになってほしい!


 という僕の近況ですが、今回はまずツイッターの話題から差せてください。少し前ですが、ツイッターのトレンドで「いちご100%」が上位になっていたのをご存じでしょうか?

 きっかけは俳優の犬飼貴丈が「ダウンタウンなう」で、いちご100%のヒロインの一人、西野つかさを推している、と語ったことがきっかけでした。


 ツイッターの盛り上がりを見ていると、みんな「いちご100%」が好きだったんだなぁと改めて思った次第です。

 そういえば、販売の仕事をしていた頃、アルバイトの大学生に聞いた好きな漫画が「いちご100%」でした。


「いや、だって、朝チュンですよ! ジャンプを読んでたら、朝チュンがあったんですよ」


 そーだね、と頷いた後に、僕は完結してから一気に読んだから、そういう衝撃は少なかったなぁと思う。

 どちらかと言うと、「いちご100%」の衝撃はヒロインをちゃんと振って、一人を選ぶところにあった気がします。


 恋人同士になれば、それで終わりではなく、その後にも一悶着あった部分も好きです。恋愛漫画(と犬飼貴丈は紹介してた)であっても、恋愛だけをしている訳ではなく、進路や夢といった悩みにも踏み込んでいたし、一人を選んだからと言って、他の女の子を嫌いになる訳でもない、という所も書いていました。


 恋人同士にならなくとも、人間関係を持続させる方法や互いに思い描いていた未来を達成することはできる、という点がラストに明示されていて、今考えると滅茶苦茶良い漫画でした。

 改めて読んだら絶対泣くと思います。


 ただ、今回は「いちご100%」の話がしたい訳ではなく、きっかけになった俳優の犬飼貴丈が出演した映画「ぐらんぶる」について書きたいんです。

 ご存じでしょうか? 


 随分、前にエッセイで「ぐらんぶる」について書いた覚えはあるんですが、言ってしまえば、酒ばかり飲むダイビングサークルの話です。

 僕の好きなライターでCDBさんという方がいるのですが、ツイッターで「ぐらんぶる」について以下のようにツイートしていました。


 ――ぐらんぶる、予告編見て「竜星涼と犬飼貴丈脱いでんな~」と驚いた人多いと思いますけど、映画本編ではあの50倍くらい脱いでいます。男の裸だとこれPG12(映画鑑賞における年齢制限。12歳未満の年少者には保護者の助言・指導が必要とする日本の映倫規定。)で済むんだというくらい脱いでいる。与田(祐希)ちゃんは金属バット振り回して2人の頭を踏みつけても超可愛い。朝比奈彩さん小倉優香さん石川恋さんも魅力的


 このツイートを見て、僕は見にいくことを決め、近所の友人を誘って映画館へ行きました。コロナ禍の状況で一度は映画館へ行っておきたかったので、丁度良かったです。

 友人は「ぐらんぶる」の原作を読んでおらず、ただ彼の兄が一足先に映画は見たらしく、


「兄貴がさ、映画見に行くって言ったらさ。『VAMOS!』これだけ覚えて行けって言っててさ。どういうこと?」

「ん? いや、原作にはない単語な気がするなぁ」


 という会話をしつつ、僕は映画館の売店でビールを買いました。「ぐらんぶる」と言えば、男の裸ではありますが、それと酒です。

 ただ、ひたすら酒を飲んでいる映画だから、こちらも酒を飲んでテンションを上げなければいけません。


「いや、映画関係なくいっつもお酒は飲んでるじゃん」


 友人の言う通りだけど、それは良いじゃん、別に。

 昼の12時を少し過ぎていました。休日の昼間から酒を飲む。最高です。


 館内に入ると、当然のごとく席の間の一席は坐れないようになっていて、劇場注意の映像にドラえもんのキャラクターたちが劇場の換気について説明してくれました。

 そうして始まった映画の前半はずっと竜星涼と犬飼貴丈が裸だったし、テンポ良いし、上手いタイミングでパロディ使ってくるしで最高でした。


 そして、VAMOS!

「ぐらんぶる」の劇中では何度か、やたら陽気な洋楽が流れ、キャストが踊るというシーンがあるのですが、そのキーワードがVAMOS!でした。

 映画を見終わった後、友人と僕は。


「VAMOS!だったな」

「VAMOS!だったわ」


 という会話しかしませんでした(十分間くらい)。

 いや、まじVAMOS!だわ。

 

 個人的に、もう既に「ぐらんぶる2」を見たいんです。

 原作を知っている身としては、あのエピソードもこのエピソードも彼らで見たい! それくらいキャストが完璧でした。


 最近、煮込み料理を作っている間とか、電車を待っている時間とかの隙間に「ぐらんぶる」の予告をずっと見ています。

 もう映画の「ぐらんぶる」が僕の中の日常を埋め尽くしています。


 十年後とかに2020年を思い返したら、VAMOS!って浮かんでくるような日常です。

 なんか、それで良いかなと思います。平和ですし。


 ちなみに、VAMOSの意味なのですが、スペイン語で「私達は行く」らしいです。

 僕たちはどこへ行こうとしているんでしょうね。

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