追い出された悪霊のたとえ② ~気付きなくして改革なし~
汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。
それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。
戻ってみると、空き家になっており、掃除をして、整えられていた。
そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を一緒に連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。この悪い時代の者たちもそのようになろう。
マタイによる福音書 12章43~45節
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人は願う。
お金持ちになりたい。有名になりたい。
沢山の人に好かれたい。嫌われたくない。
この病気さえなければ、幸せになれるのに。
私がこういう性格でなければ、もう少し生きやすい人生だろうに。
この家、この親以外のところで生まれたなら、もっといい人生だったはず。
この問題さえなければ……
今の願いの共通点は、お分かりだろうか。
●表面的、現象的側面だけの解決しか願っていない。
●自分の意識の在り方に関わることと、何の関係もない。
今回のイエスのたとえ話は、そのことを皮肉って言ったものである。
人は、目に見える問題を何とか片づけることしか考えていない。
宗教やスピリチュアルの基本は、外側をいじる事よりも意識の在り方を変えることである。だとするならば、自分の意識の状態は放っておいて、しゃかりきに現実問題だけにフォーカスすることは、単純に「愚行」であると断じることができる。
●結局、あなたの意識が変わらないのなら、問題は解決していないも同じ。
雑草を思い出してほしい。
土から上に顔を出している草の部分を刈り取っても、根がまだ残っているので、いつかそのうちまた生えてきて、顔を出す。
今の問題が現れたのは、あなたの意識状態が今のようであるからだ。
その根っこの意識が、何も変わらないのに——
あなたの問題が現象面で片付いたからとて、そこにどれほどの意味があろうか?
まさに、痛む虫歯に歯痛止めの薬を飲むような応急処置である。根本的治療とは何の関係もないので、そのままではいつかもっとひどいことになる。
私たちは、この宇宙における「自分」という人間の人生の主人公として、自分の意識の在り方を主体的に選択する、という賢い方法を忘れて——
ついつい、問題解決のプロという「外部」に頼ってしまう。
今回の聖書のお話の例でも、せっかく悪霊を追い出してもらったのに、本人の内面が何も変わらなかったので、結局同じ事がまた起こってしまう、という皮肉である。しかも、前よりもっとひどくなる、というオマケ付き。
お守りをもらう。石を持つ。
お祓いをしてもらう。守護霊や背後霊に関して、霊能者に何とかしてもらう。
憑き物を落としてもらう。
私は、これらに意味がないとは言わない。やはり、それなりに効果もあろう。
でも、このことは厳しく言っておかねばなるまい。
●そういうことをしてもらうと同時に——
あなたは意識的な面でも、変わる必要がある。
言わば、意識の変化と現象面での問題解決は、車の両輪。
どちらが欠けても、それは不十分。
世の多くの人は、問題解決ばかりに注目する。
一方で、宗教やスピリチュアルに傾倒する人は、意識面でのことばかりに注目しすぎて、実際的対応において十分なことをしない。そういう「地に足のついていない」一部のスピリチュアルのために、スピリチュアル全体が揶揄されてしまうことが起こる。
この文章を読む方の中には、カウンセラーと呼ばれる方もいるだろう。
霊能力やサイキック能力をもち、他者の問題解決に力を貸しておられる方もいるだろう。
そういう方々に言いたい。もちろん、釈迦に説法になってしまう人もいるだろうが、あえて言わせていただく。
●クライアント(依頼人)の問題解決以上に——
そのクライアントの意識が変わることの方にこそ、力を注いでほしい。
現実的問題解決だけをして、あと依頼人を放っておくのは、サイテーである。
本人の意識が何も変わらないので、結局また同じことを繰り返すだけ。
それが目に見えている。
分かっていらっしゃる能力者さんは、現象面で何かをしてあげると同時に、その人の内面の変化にも付き合う。立ち会う。そして、共に成長していく。
だから、皆さんも世にあまたあるスピリチュアルビジネスの力を借りるその前に、問題解決と同時に、自分の意識の前提も見つめなおすように。
二度とその問題が問題とならないよう、あなたの意識ステージが上がることのほうを価値視していただきたい。意識的な変革こそ、本当の問題解決だと言える。
『気付きなくして変革なし』である。
あなたが自我によって「こうなろう」と焦らなくても、あなたが今ここにくつろぐだけで、必要な気付きは起こります。
そこは、宇宙を信頼してください。
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