オマケ回「新年になったからキャラが自分のこと創作物の存在だと理解した上でダラダラ話す奴」
※タイトル通りです。キャラが自分のことを創作物のキャラだと理解した上で発言するのが苦手な人はお気を付けください。
なお、こういうのはオマケ回のみでの話です。
こたつに入った俺と翠は、声を揃えてこう言った。
「「新年あけましておめでとうございま~す!!」」
「いや待て待て待て」
しかし、横からツッコミを入れてくるものが居た。
同じくこたつに入ったイユさんである。
ちなみに今はイユさんは艶っぽい紫系の色合いの振袖に簪で髪をまとめ、翠は可愛らしいピンクの振袖に花飾りを前髪に付けており、俺は深みの強い緑色の着物姿である。
「ああ、やっぱ今は国際社会に対するアピールが要りますよね。それじゃあ、翠。一緒に、せーの!」
「「Happy new year!!」」
「いやちゃうねん!! 別に言語的な問題ちゃうねん!! ……あの、この状況は何なん?」
「何? 何って何がッスか?」
「いやこの服装とか!! あとこの部屋!! 何!? この草を木板の上に張ったような床の部屋は!?」
「ああ、そっか。イユさんは異世界人だから和室は分かんないスよね」
「和室というかコタツも分からないんじゃないですか?」
「いやコタツは知ってるけど?」
「「知ってんのコタツ!?」」
「ああ、東の方から伝わったものやけど、1世紀前にはこの辺りの地域には伝わってるらしいで?」
「コタツって日本固有のものではなかったんですね……」
「あっ、そういえば乙嫁語りにコタツ出てきたわ。あの漫画は19世紀の中東が舞台だったから、あの時代のあそこらへんにはあったんだろうな」
「へー、勉強になります」
「いや、そんなんええから。別に歴史の授業ちゃうねん。教えてくれへん、この状況について」
と、明らかに困った様子でイユさんがそう言ってくる。
そういわれて、俺はもう一度あたりを見渡して状況を確認する。
俺たちは今、典型的な和室に居る。
畳の部屋に、『謹賀新年』という掛け軸の飾られた床の間、あったかいコタツ。
いやあ、日本のお正月ですなあ。
ま、ここ異世界だから日本じゃねーけど。
そう判断した上で、俺は答えた。
「えー、和室でダラダラしてるという状況っスね」
「いやそんなん聞いてないわ!! こっちはもう何もかも分からんねん!! というか今べつに新年ではないやろ!!」
「異世界ではそうなんですけど、今は地球だと新年なんスよ。だからまあオマケ回でもしようかなって」
「まあ既に1月も終わりそうなんですけどね」
「……え? ああ、まあ。今頃2人の故郷は新年やからそのお祝いってことなんやな? それは分かったんやけど、オマケ回って何?」
「え? オマケ回はオマケ回っスよ。本編から外れてワイワイやんの。だからこんな和室で着物なんスよ」
「オマケ? 本編? えっ!? ちょ!? 分かれへん!! なに言うてんのん!?」
困惑するイユさんを見て、俺は気付いた。
ああ、そっか。
「イユさんはオマケ回でも第4の壁の認識できないんだ~。あちゃ~、残念」
「オマケ回なら第4の壁の認識ができるのって私達だけなんでしょうか?」
「え!? 第4の壁の認識って何!? 当然のように言われてもウチ知らんよ!?」
「第4の壁の認識っていうのは、自分達が創作上のキャラであることを理解した上で振る舞うことです。イユさんには伝わりにくいですけど、私達の世界だとデッドプールとか有名でしたね。映画とか漫画の中から語り掛けてきたりするんですよ」
「いやそれが分かれへんねん!! どういうことや!!」
「え~こんなのも分からないスかあイユさん!!」
「第4の壁の認識ができなくて許されるのは小学生までよね~」
「キャハハ!!」
「何やねんそのテンション!! 腹立つ!!」
「ハイ、というわけでね。今回はオマケ回です。よろしくお願いしまーす」
「しまーす」
俺が頭を下げるのに続いて、翠も頭を下げた。
アイサツは大事だ。
「いやね、これもできれば年明けにやりたかったんですけど。ズルズル長引いちゃったんスよね~。いやマジで小説って毎日書くの大変じゃん。毎日更新とかずっとしてる人いるけどあれマジすげーわ」
「ですよね~。継続は力なりって言いますけど、本当にそうだと思います」
「あの、結局ウチ話に付いていけてないんやけど。どうしたら良いん?」
「う~ん。とりあえずミカン食ったらどうスか?」
「あ、ああ。そうするわ」
俺が差し出したミカンを受け取り、イユさんはもくもくと皮をむき始めた。
そして俺はそんな彼女の姿を見ながら。
「でも別にオマケ回って話すことないよね」
「桃吾!? お前この状況を作っておいて何その態度!?」
何って言われても、話すことないし。
「いやだって、これ書いてるのは失踪してませんよ~まだエタってないですよ~ってことを読者に伝えるためなんで。いやマジで書いてるのは書いてます。2月か3月には落ち着くので投稿したいと思ってるんで。マジで。1月に更新しようと思ったんですけど、まぁ修士論文終わんないですよね」
「でも普通頑張って書いてま~すみたいな話を小説にしてネットに上げたりしませんよね。大丈夫ですか? 第4の壁の認識が地雷な人いませんか?」
「地雷な人は頑張って地雷を踏まないように逃げてね~」
「私達は、ギャグ作品は基本的に何しても良いと思っていますので全く気にしません。不快だったらごめんねごめんね~~~~!!」
「懐かしいギャグだな!! U字工事のネタ数年ぶりに聞いたわ!!」
「いや、なんとなく思い出したので」
と、俺達が好き勝手話していてもイユさんは最早 何も言わない。
ツッコミが面倒になったんだろう。
いま3個目のミカンを食べ始めたところだ。
……じゃあ俺達も好きにしよう。
「もう話すことねーからジャンプの話しようぜ。呪術廻戦アニメ化したね」
「しましたね~。アレは面白いと思ってましたよ私は。五条先生すきです」
「ねー、五条先生いいよね。あと鬼滅の刃は今ハンパない勢いあるし。ドクターストーンもずっと面白いしチェンソーマンも良いよね」
「チェンソーマンのパワーちゃん可愛いですよね」
「いや~、今の週刊少年ジャンプは熱いわマジで!! あっ、それこそ新連載のアグラビティボーイズ読んだ?」
「ああ、あの『おちんちん相対性理論』の」
「あれワードの力が圧倒的だよね。なに喰ったらあんなの思いつくのかな。すげーよね」
「あっ、あと最近ジャンプ+読み始めたんですけどSPY×FAMILYめっちゃ面白くないですか!!」
「ああ~~~!! あれはスゲーわ!! 設定から何から何まですげー良い!! スパイと殺し屋と超能力者の偽装家族とか最高だわ!! 基本コミカルな展開多いのも良いな。俺コメディ好きだし」
「あとジャンプSQに移籍しましたけどワールドトリガーはずっと面白いですね~。芦原先生は天才ですよ。前作の賢い犬リリエンタールからずっと好きで――」
「いや何時までやるねぇええええん!!!!!!!!」
と、そこでイユさんが食べ終えたミカンの皮をテーブルに叩きつけてきた。
「何するんスかイユさん。お行儀悪いッスねえ」
「やかましいわ!! ジャンプ? が何かは分からんけど絶対しょーもない話やろ!! それ今せんといかん話か!?」
「いや、別に」
「ジャンプの話をしないといけないタイミングなんて、集英社に就職でもしない限りないですもんね」
「ああ、でもそういえばこの作品の中に出そうと思っていた鮫チェーンソーの精霊ってのがあったんだけど、チェンソーマンで鮫に乗ってチェーンソーを武器に戦うシーンが出ちゃったから流石に没にした、とかそういう裏事情なら話せるよ」
「だからウチに分からん話をするな!! というかそういうしょうもない話するだけなら別にええやろ!! こんな下らんことせんでも!! 特にウチと桃吾は借金もあったろ!! 4000万も!! はよ働いて返さなあかんやろ!!」
「借金? そんなのあったっけ俺?」
「お前よう4000万の借金の存在忘れられるな!! 器デカすぎて最早 逆に器の体を成してないやん!!」
「あっ、イユさん今ひょっとして面白い感じのツッコミしようとしました? はは、ウケますね」
「う、うっさい!!!! 何もウケんわアホ!!」
「あ、イユさんちょっと照れましたねえ。可愛いですね、というわけでそんなイユさんの可愛さで一句読みます。『やっぱりね お姉さんには 赤ら顔』翠、心の一句」
「翠様!! 心の声が駄々洩れなんで!! やめてくれませんか!?」
「『ツンとデレの 温度差よきよき』」
「桃吾も桃吾で下の句を読むな!!」
いやあ、イユさんのツッコミはやっぱりキレがあって良いな。
と思っていたら。
「ああ、もう3500字いったじゃん。じゃあ今回はココまでかな?」
「3500字? えっ!? ちょ、何の話をしてんねん!?」
「はい、ではですね。今回はオマケ回ということで、こういう話にさせていただきました。俺としてはこういうの好きなんですけど、皆さん的にはどうなんだろ? 楽しんでくれると良いんだけど」
「まあ、そこは好き好きということで。それでは皆さん、ここまで読んで下さってありがとうございました~。今回のお話は、わたくし瀞江翠と」
「その兄の桃吾。そしてイユさんがお送りしました~」
「え? 終わるん!? こんな唐突に!?」
驚愕するイユさんのツッコミを残しながら,オマケ回は終わったのだった。
※次回、できれば2月の下旬くらいから続きを挙げたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
弟チートで兄ニート!! ~異世界に来たくらいで働くなんて甘え~ 水道代12万円の人(大吉) @daikichi-T
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