第十三章 未来
第十三章一節 離別
シュランメルトが悲しみから立ち直った翌日に、アルフレイドとその妻――シュランメルトの母親――の葬儀が行われた。
アルフレイドが抱えた国家に対する反逆罪の存在ゆえ、二人の葬式は表立っては行えなかったものの、グロスレーベは王城にて内密に葬儀と告別式を行うという方法で決行した。
棺が祭壇の前まで運ばれた後、神父が葬儀及び告別式の会式の辞を述べた。
葬儀はつつがなく終わり、告別式へと移る。
シュランメルトが花を手向ける。
「父さん……。父さんに取り戻してもらった記憶と、繋いでもらった命……この国を守る為に使わせてもらう。ありがとう、
墓前に花を手向ける際、グロスレーベはこのように述べた。
「我が最大の友人にして、我が国最大の英雄、アルフレイド・リッテ・ゴットゼーゲンよ。お前の望み通り、息子であるゲルハルト・ゴットゼーゲンの記憶は取り戻された。彼は我ら王家が手厚く保護する。安らかに眠ってくれ。そして、我が国、ベルグリーズ王国を見守っていてくれ」
続いて、シャインハイル、フィーレ、パトリツィアをはじめとしたすべての出席者が花を手向けた。
最後にシュランメルトが、喪主挨拶を行う。
「皆様、私の父母の葬式、並びに告別式にお立会い下さり、ありがとうございました……」
やや小さめな声ではあったが、全ての出席者がそれを聞き届けた。
かくして、シュランメルトの両親の葬式と告別式は、完了したのであった。
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