第十二章七節 詰問
「どういうつもりだ、シャインハイル……!」
シュランメルトは我を忘れ、シャインハイルの元まで大股に歩み寄る。
「複雑な言葉遊びは致しませんわ。そのままの意味です、シュランメルト」
シャインハイルは平然と返す。
しかし、瞳には意思が宿っていた。
「ならば
「それは聞けない頼みですわね」
「なぜそこまでこだわる?」
「今回の反逆にアルフレイド元1等将官が関与しているからですわ」
アルフレイドという名を聞いて、シュランメルトは顔をしかめる。
「やはりその名が出るか。お前がどれほど奴を意識しているかよく分かるな」
苦々しげな表情を浮かべ、シュランメルトは頭を押さえた。
「……うむ。だが、それでも言わせてくれ。『頼む、来ないでくれ』と」
「よほど
シュランメルトは、わずかに思考する。
そしてまっすぐシャインハイルの瞳を見て、答えた。
「
しばしの沈黙が訪れる。
シャインハイルは遠慮がちに、しかしはっきりと、シュランメルトに返した。
「だからこそ、
言外に告げられた拒絶の意思。
それでも、シュランメルトは引かない。
「ならば
「譲れませんわね。あくまでも、
「どうしてこれほどまでにこだわり続ける?」
「あれほどのお方が何故あのような
「フィーレでは駄目なのか」
「駄目ではありません。しかし今の彼女は、あくまでも“リラ工房”の一員として存在しております。これは王城の問題と分けて考えるべきです。板挟みにして、必要以上の精神的苦痛を与えるべきではありません」
「引く気は無い、か……」
シュランメルトが、折れる意思を見せる。
が、シャインハイルは微笑んだ。
「安心してください。
シュランメルトの駆る
「
「いえ、
シャインハイルはシュランメルトを安心させるように小さく笑いながら、自らの愛機について話し出す。
「フィーレの駆る
フィーレの専用機
だが、その
「それでも不安はぬぐえんぞ」
「はい。ですから、貴方の近くに居続けるのでございます」
「なるほど、直掩という事か」
「そういう事であれば構わないでしょう?」
「ううむ……」
シュランメルトはしばし苦々しげな顔を浮かべるが、やがて決断する。
「シャインハイル。貴女は
投げ出すように言いながらも、シュランメルトは渋々ながらも、シャインハイルの同行を認めたのであった。
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