第十章二節 要撃
「何という数だ……」
リラの屋敷近くに集まった、30台を超える
(単に
遠距離から飛んでくる魔力の矢を、時に防ぎ、時に叩き落し、また時に撃ち落とすシュランメルト。
奮戦によって何とか、屋敷にこれ以上被害が拡大するのを食い止めていたのである。
(リラ達は、どうなっている!?)
シュランメルトは、横目でチラリと格納庫を見る。
直後、こちらに向かってくる
「あれは……
「やっほー!」
「パトリツィア!?」
さらに、パトリツィアがいきなり操縦席内部に転移してきた。
原理を知っているシュランメルトであるが、このタイミングで現れた事に驚いたのである。
「リラ達は無事か!?」
「うん。今はそれぞれの
と、
『シュランメルト、聞こえますか!?』
「聞こえるぞ、リラ!」
『おかげさまで、無事に
「承知した! 無理はするなよ!」
シュランメルトが、敵機目掛けて
と、後ろから声が聞こえた。
『屋敷はわたくし達が守り抜きますわ!』
『うん! だからお兄さんは、安心して行ってきて!』
「ああ、承知した!」
フィーレとグスタフの声援を受け、シュランメルトは今度こそ、
---
「なっ、何だこい――」
白い機体――
「まず1台」
その意思を反映するかのように、
「貴様ら」
無意識に起動させていた拡声機から、シュランメルトの声が漏れる。
「覚悟しろ」
抑揚の無い、しかし怒りに満ちた声は、襲撃者達をたじろがせた。
その間にも、
「なっ――」
反応する間も無く、2台目の
「遅い」
勢いそのまま、
「まだいるな……。むっ、抜けられたか」
「シュランメルト、前!」
屋敷の防衛に向かう間も無く、
「邪魔だ」
振り下ろされた剣を抑えている間に、
「リラ達は……大丈夫そうだな」
チラリと後ろを振り向くと、
「
シュランメルトは
(むっ、何故今下がる?)
「シュランメルト、接近戦はダメ!」
何かを察したシュランメルトは、パトリツィアの助言に従い、
「承知した、パトリツィア。
「りょーかいっ。準備するね」
その、直後。
何かが土煙を上げて地面に突き刺さった様子が、シュランメルトの目に留まった。
「あれは光弾……なの、か?」
「多分違うかも。それより、
「承知した……むっ」
土煙が晴れだす。
そこでは、黄土色の強襲型
「ねっ、違った」
「だろうな。しかし、まさか
シュランメルトが空を見上げると、そこには4台の灰色の
「そうか、
「感心してる場合かな、シュランメルト?」
「承知している、パトリツィア……おっと」
話している間に、2台目の
シュランメルトは慌てず、
「その隙は致命的だぞ」
回避を完了すると同時に、降ってきた
落ちたばかりで身動きの取れない
「次は……そうか、貴様か」
シュランメルトが
一瞬遅れて、
「逃がさん」
突撃の勢いをそのままに離脱を試みる
「覚悟しろ」
追いつくと同時に、
「さて、これで計6台か?」
眼前の敵機を屠ったシュランメルトは、一度戦況を把握するためにぐるりと周囲を見回す。
「とはいえ……まずいな」
見ると、10台程の
「囮だったか。ならば
シュランメルトは即座に決断すると、
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