第四章三節 妹姫

「やはり工房の皆様と離れるのは、何度目になっても寂しいものなのですね……」


 フィーレはベルリール城の自室で、ベッドにせっていた。


「リラ師匠……それに、グスタフ……。あぁ、早くリラ工房に戻りたいですわ……」


 臥せったまま、ぽつりぽつりと呟く。

 王女としての格好も気にせず、フィーレはさみしさを部屋にぶちまけていた。


「あぁ、グスタフ、グスタフぅ……。わたくしはグスタフのお顔を、早く見たいのですわぁ……。その可愛らしい、あなたの、お顔を……」


 フィーレは涙をうっすらと流しながら、やがてベッドに沈み込むように眠りに落ちた。

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