第四章二節 姉姫

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……❤」


 頬を紅潮させ、とろけた笑みを浮かべながらベッドに横たわるシャインハイルは、肩で息を整えていた。


「シュランメルト、シュランメルトぉ……❤ 大好き、ですわぁ……❤」


 ドレスをはだけさせたまま、シャインハイルは自らの右手の人差し指をねっとりと舐めている。

 部屋の冷気とベッドのひんやりした感触が彼女を冷静にさせんとするが、むしろそれすら楽しむように、彼女は笑っていた。


「ふふ、貴方はいつ、わたくしを求めて、そのごつごつした両手を差し出してくれるのでしょうか?❤」


 シャインハイルが乱れたドレスを整えるのは、翌朝を迎えてからの話であった――。

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