第二章六節 撃破
いまだ続く
『ちょっと、いくらなんでも硬すぎでしょ!?』
何度も連撃を叩きつけたというのに、一向に動きの鈍る気配が無い
そんな様子を見て、グスタフは焦りを隠せないでいた。
『グスタフ、離れて!』
と、そこにフィーレの声が聞こえる。
『フィーレ姫! わかった、やってみる!』
言葉の意図を察したグスタフは、
しかし。
「悪いな、
シュランメルトもまた、グスタフに迫るように
「そしてグスタフ、お前がする事はもうわかっている」
その言葉に続いて、
『はぁっ……!』
しかし。
「予想通りだ」
『うわっ!?』
予期せぬ
が、時すでに遅し。
「終わりだ。まずは一つ」
結晶の破砕音を立て、腕がちぎれ飛んだ。
『ひ、一振りで三本とも……!?』
「グスタフ、降参しろ」
『ッ、まだ……!』
残った右腕三本を振り回し、寸鉄を握りしめた拳を叩きつけようとする
「降参しろと言ったはずだが?」
しかし腕を振るよりも先に、
一番上の一本を除いて腕が押さえつけられ、残る一本もむなしく空を切った。
『これでもダメか……! わかった、僕は降参するよ。腕を回収させてほしい』
「了解した」
『承知しましたわ、グスタフ。わたくし一人でも戦ってみせます。王家の誇りにかけて』
完全に2台が止まった事を確かめると、
そして模擬試合用の広場から離脱したのを確認した2台は、再び武装を構えた。
「1台で戦えるのか? フィーレ」
『ええ、十分ですわ。あなたは確かに強い。ですが』
そして杖ごと左手で鞘を押さえながら、右手で剣を引き抜いた。
『わたくしもまた、リラ師匠に十分な実力を付けていただきましたの。それに、わたくしの
右手で剣先を上に向け、眼前に持って行く“
すみれ色と金色がバランス良く整った外見と、細身の女性に似せた意匠とがあいまって、今の姿には優美さがかもし出されていた。
『その力、証明してみせますわ』
そして剣を振り下ろすと、
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