第一章三節 救出

「あなた達、何をなさるのです!? 殿方として、恥ずかしくは無いのですか!」

「そんなもん知るかよ、お嬢ちゃん」

「俺達“ヴォルフホイル”のナワバリで目立ったツケだぜ」

「そーそー、あんなゼイタクな買いもんしてりゃ、目立つっつの」


 少女は気丈にも立ち向かっているが、体格の差は歴然としている。

 まして一対七。勝てる道理が無い。


「それじゃ、そのツケを身をもって払ってもらおうかね。まだまだチビっ子だけど、よく見りゃ美人だしよ」

「……ッ!」


 男の中の一人が、少女に手を伸ばす。


「くっ……。この場に“工房”のお二人がいらっしゃいましたら、この場から助けてくださると言うのに……!」


 少女は恐怖と意地で、身をこわばらせ――




「何をしている?」




 突如として別の男せいねんの声が響くのと、少女に手を伸ばした男が吹っ飛ばされるのが、同時に発生したのであった。

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