第一部 記憶奪還

第一章 覚醒

第一章一節 祈り

「神様……。どうか、わたくしの願いを聞き届けてくださいませ」


 一人の女性が、胸の前で両手を組み、一心に何かを祈っていた。


「夢でおいしたあの少年を……。わたくし達を守って下さったあの少年を……今一度、このベルグリーズの地に、蘇らせて、下さいませ……」


 両頬に涙を伝わせながら、震える声で、彼女は何度も、何かを祈っていた……。


     *


 その頃。

 とある街に、眩い光が一つはしった。

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