第3話 救世の神、宇迦之御魂(うかのみたま)
翌朝、
「かみむすびの神よ、この姿は、一体どうしたことでありましょう。われは、わが一族のために命を投げうって、自分の
かみむすびの神の声が響いた。
「お前はこの期に及んで、自分の姿、行いが美しいと思うているのか。一族のために自らの命を投げうつことで、清らかな気持ちになろうとでも考えているのか。時はないぞ。いま一度、その姿を皆の前にさらけ出すのだ。外に出て
シロタエは、とてつもない恐怖に
近くにいた幼き息子の
「かかさまぁ」
と駆け寄りて、声をかけた。その時、シロタエの口から
周りの者はみんな
鼻からは、ねばねばした悪臭を放つ
「・・・いつきの庭に・・・われを・・」
と、シロタエは
「われは、自分の行いを美しいとも、清らかな心根があるとも思いません。ただ、この汚らわしい自分の体を神の
「その体で、ここまで来てくれたことを讃えましょう。しばしの辛抱だ。
翌日は、夜明け前から冷え冷えとした大気に包まれ、日が昇ると太陽の日差しがことのほか眩しかった。体を清め、新しい結(ゆい)をまとったシロタエは、大きな
すでに「
シロタエは、かみむすびの神との約束通り、
呪われた
あろうことか、
「これは
もはや、
「この
「
「大神への裏切りの仕置きは、これだ。」
「死をもって
ごうごうたる非難の中でつぶてが襲った。たちまちにシロタエの体は
「・・・かみむすびの祖神のみもとに・・・」
最後のとどめは、
この時、天空を
かみむすびの神の声が響いた。
「
「
すると、シロタエの身体から青々とした若葉が芽を出した。
「
その場にいた、巫女、巫覡の皆々は、自らの正義を確かめるために、恐る恐る、シロタエの周りに集まってきた。
「
ようやく、皆々は、自分達がなした
「
「
一人の叫びが闇をついた。続いて一族すべての声が
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