第18話 総括

小学生の頃は進学など考えなかったし、ましてや地元以外の中学に通うとも思っていなかった。ある時地元の中学はあまりよくないと考えて別の進路を選んだ。

中学、高校は好き勝手やっていた(といっても不良行為に及ぶことはなかったし、そのような度胸もなかった。)が、実際先生もそういう人が多かった。それ故行き詰まることはあまりなかった。

大学も運良く四年で卒業できたうえに、取得したい資格もとれた。サークルこそ入らなかったもののそれに代わるものがありネットワークに困らなかった。

・・・と書けば順風満帆に送ってきたように感じられるがそれは結果論でしかなく、努力の結果も誰かの支援なしでは生まれなかった。両親、学校、友人・・・思うところは多くある。果たして恩を返すことは出来るのか、それが出来ないなら誰かに施すことは出来るのか・・・・

現状そんなことは出来ない。勿論感謝の心はある。ここまで何とかなったのは色んな人のおかげである。しかし、余裕がない。余裕を作らねばならないが気力もない。そんな自分だから、自身が人間として不適であると思ってしまうのだ。

かといって死ぬわけにもいかない。それこそ恩を仇で返すことになる。アパートの清掃、葬式、精神的負担・・・耐えられるものでは

なかろう。であれば生きるしかない。生きて現状を打破し、他人に還元出来る良い方法は何かないのか、何か・・・・

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人間として不適切 酒戸津真実 @ippan_1242

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