最終話もし、明日が来たら

窓の外は漆黒。


長いような、短いような、夢のような……。


ずっと旅に出てたんだろうか?


彼女のワンピース姿が掠める。


「(風は気ままに吹いてるようだな)」


幻の中に埋没してるんだろうか?


全身の力が抜けて宙に浮いてるみたいだ。


ふと窓を見ると対向車が走ってる。


彼女の横顔が見えた。


夕焼けの中に、夕闇の青の中に、星空を翳す夜空も


こんな奇跡を用意してくれたんだ。


「終点、末尾、末尾」


君は待っていてくれたんだ。


こんなどうしようもない男を。


自動ドアの向こうに明日が見えるよ。


(完)


2019(R1)9/15(日)

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