第9話終着駅

「たぶん、これでおしまいなのね」


すっかり窓の外は真っ暗。


「(理性の枠にくるまっても手遅れだぞ)」


考える余地がほしい。なぜなら……。


「お待たせしました。次は終点、末尾、末尾」


「本当にもういいのね」


残された時間は限られてるわけか。


「(暗闇の中に希望を見出そうとしてるな)」


「さよならは言わないわよ。なぜかは分かるでしょ」


君は充分に余裕を与えてくれてるね。


「(刻一刻と時間が迫ってるな)」


夢の中に住めたらいいのに。


「(どこに隠れ場所を探すのか)」


夢の中の毛布にくるまりたい。


「さよならより優しい言葉の方が残酷よ」


2019(R1)9/15(日)

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