第12話 オチ
もう察しがついているだろうけど、
うん、そうだよ、
ここが例の、ゴミ小屋の近くのラブホテルだよ。
湖に気づかなかった?
夜だしな。それにほら、こういうホテルって中に入るのを見られないで済むように、車で奥の駐車場に入るようになってるからさ。
あれから五年が経った。
先輩を成仏させようと色々やってはみたんだが、どうしても成仏する気にはなってくれないようでね……
このホテル、女の幽霊が出る噂があるんだ。
噂は以前からあったんだけどね、今度のは本物。
幽霊の正体は、先輩だよ。
俺に取り憑いてる? いやいや、俺も中に入ったのはこれが初めてだ。いっしょに入る相手がいなかったからね。本当だよ。
幽霊って、自分が知ってる所なら自由に瞬間移動出来るみたいだ。
何せ電波みたいなもんだからな。
たまにここに来ては、カップルを脅かして楽しんでいるらしい。
…………
生きている人間がエロ話で盛り上がるみたいな感覚だろう。
それってさあ……本当は自分もそういう事がしたい、って事だよなあ?
誘っていると思うんだ、俺を。で、
それが自分が成仏する条件だ、って。
でも幽霊とはエッチ出来ないからなあ…………
うん? 何? あそこになんだって?
そうか、見えるんだ?
霊感の強い人といっしょにいると見えるようになるんだもんな。
君にはどういう風に見えてるの?
ああ、駄目駄目。逃げられないよ?
逃げるとかえって危ないから。
君のこと? もちろん好きだよ。嘘じゃないって。本当に愛してるって。
愛し続ける為には、ね?、分かるだろう?
一回。一回でいいんだ。
それで先輩もきっと満足してくれるから。
そうしたら俺たちはこれからもずっと、ね?
だから、逃げちゃ駄目だって。危ないから。
怖がらなくていいから。リラックスして、
受け入れてあげてくれよ?
それに、
すごく気持ちいいらしいよ?
幽霊に取り憑かれてするエッチって。
終わり
霊感レベルによる幽霊の見え方 岳石祭人 @take-stone
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