第31話 Guns
「私には魂の輪郭とでも言いましょうか、何となく分かるのです。私には妹がいました。私の両親は早くに亡くなった為、私が親代わりに必死に守って育ててきました。だがしかし!彼女は何者かによって殺されてしまった。私は自分の魂が焼けるほどに泣き、声が出なくなるほど叫び、この世の絶望を知った。そして彼女の亡骸を見た時に今度は火が灯った。彼女の魂はそこには無かった。最後のサヨナラもできず呆然と立ちすくみ、一つの結論を導き出した。まだ彼女の魂はどこかに存在しているのでは?何者かによって奪われれしまったのだと考えました。そう思った瞬間に復讐の火が灯りました。僕は君を見つけた時、感極まりました。ようやく見つけた!」
「ちょっと待ってください、僕はあなたの妹さんには会ったこともないですし、僕は殺してませんよ!」
「最初は君が犯人かと思いました。でもこんなに優しそうな顔立ちで、優しい絵や曲を描く人間が、こんなに残酷なことをするだろうか?冷静になれて幸いでした。最初は会った瞬間にこれで撃ち殺そうかと思っていましたからね。」
そう言うとジャケットの内側から銃を取り出して口づけをして見せる。
「ちょっと!それ本物何ですか!?」
思わず両手をあげながら、物騒なものをしまえと騒ぐ。
「勿論本物ですよ。私の復讐の炎が込められた弾丸もちゃんと入ってますよ。でも君に会う前にあのCDを聞くことができて良かった。君を無駄に殺さなくて済んだ。」
さらりと恐ろしい事を言ってくれる。
「ところで奏、私に協力してくれませんか?」
「妹さんの魂、生き返らせるって話でしたら、お断りします。」
「そう言うと思っていましたよ。私もそこまでは望みません。最後に妹に謝りたいのです。守れなくてごめんと一言だけでも伝えたくて、お別れの一言だけでも良いから話がしたいだけです。奏、宜しくお願いします。」
土下座をしようとする前に、天城蓮の体を支え、奏はそれを止めた
「僕にもまだ僕の力がどういことなのか、分かっていないのでお約束する事はできませんが、できる限りの事はします。ですが復讐なんて事は考えないで下さい。怨恨は誰も救う事はできません。恨みは次の恨みを産み出すことしかありません。だからお願いします。」
「君は優しいね」
WHITE ALBUM とめちり @ebichiri-tom
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