見えない怪物

たいやき

見えない怪物

ある夜突然山が砕け、ビルが崩れた。その痕はまるで巨大な足で踏みつけられたようだった。


「緊急速報です。ただいま全国各地で大きな足跡が発見されています。その下敷きになったであろうものは、硬度を問わず全てぺしゃんこになっているようです。」


足跡が増えていくにつれ、人々の不安は徐々に大きくなっていった。政府は緊急対策室を立て、”それ”がなんなのかを突き止めようとした。全国の専門家たちは議論を重ね”それ”は人には見ることができない巨大な生物だという結論に至った。人々の不安はさらに膨れ上がり、デモが盛んに行われるようになった。


その後も”それ”は定期的に現れ続けた。自衛隊は”それ”が現れた瞬間にミサイル攻撃を敢行したがミサイルは虚しく通り過ぎるだけで何も手応えは感じられなかった。


遂に大統領は記者会見で「我々にはどうすることも出来ません。もしまたこのようなことが起きたとしても我々にはなす術がないのです。国民の皆さんの幸運を祈ります。」と言ったきり雲隠れしてしまった。


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「司令、我々の開発した装置がうまく作動したようです。いよいよ決戦ですね。」


「うむ。我々の開発したこの重力増大装置によって奴らに我々の強大さを思い知らせてやるのだ。全国に散らばった我が同志たちもよくやってくれている。

いいか、今から奴らとの最後の戦いを始める。総員配置につき、自らの使命を全うするのだ!」


ざっと数億はいるであろう兵士達が自分の配置につき号令を待った。


「では、これより作戦を開始する。第一部隊出発!」

「おぉぉぉっ!」


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「あれ、最近おかしなことばっか起こるな。蟻がいっぱいいるぞ。あんなにいっぱいいるのを初めて見た。」

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見えない怪物 たいやき @taiyaki05

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