第2話 潜水艦見ユ(2)

俺は、ラッタルを駆け降りてCICに入った。

CICに入ると当直の隊員達が数名敬礼をしてきた。

俺は、答礼しながらさっき艦内放送をかけた当直の江西二尉に何があったのか、尋ねた。

「何かあったのか?」

「はい、潜水艦と思われるものをソナーが探知しました。国籍は不明です。」

それは、問題だった。この津軽海峡は、まぁまぁ航行量の多い海域だ。それに、

「潜水艦がいるのは公海内か?それとも領海内か?」

「領海と公海を出たり、はいったりしています。」

「これは、問題だな…浮上しないで、水中航行しているのか?」

「そうです。浮上する様子はありません。」

国際法によって潜水艦は、国際的に認められている海峡や領海内では浮上しながら航行しなければならないのだ。

「市ヶ谷と横須賀に連絡を入れろ!」

そして俺は、艦内放送のマイクを取った。

「これより本艦は、国籍不明潜水艦を追跡する!」

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海峡の護り ~休載中~ 宵月醍醐 @sendaigo

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