第2章 田中MID4編

第14話 ReBoon,

 八九寺からある電話。RS-Xのことらしい。

 俺は重い腰を上げて家を出た。

 家からタクシーで10分ほど、八九寺のヤードについた。

「おっ、来た来た。よっ」

 八九寺はご機嫌よくあいさつした。

「おう」

 俺も返す。

「やっぱお前、車がないとパッとしないな」

 笑いながら言う。

「そうか?」

「まあいいや。まだ車探してる?」

「そりゃな。足は必要だろ」

 毎日タクシーじゃ金がなくなる。

「で、RS-Xのことってなんだ?」

 今日の本題だ。

「そうだ。ついてきて」

 八九寺の後についてヤードの奥の奥に入っていく。

「お、プロボックス。マニュアルか?」

「ああ。2011年式9万キロ。欲しいか?」

「足車にいいかもな」

「欲しいなら起こしとくぞ。行こうか」

 再び歩き出す。


「ついたぞ」

 八九寺が指をさす方を見るととっくにエンジンブローしたRS-Xがある。

 八九寺はおもむろにキーを取り出しキーシリンダーにさす。

「ちょっと、なんかのドッキリ?」

「んなわけ」

 と言い、クラッチを踏みながらキーを回した。

 キュルキュルとスターターが動いてしばらくすると、

 ブオーーンと心地よいサウンドがヤード内に響く。

「え、まじかよ」

「どうだ?驚いただろ?」

「驚いたどころじゃねえよ…、感謝し切れないな」

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首都高伝説 箱丸 @hakomal1972

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