第13話 RS-X

 次の日、八九寺の工場のリフトに乗せる。

 ボンっとボンネットを開けると高温で溶けたデスビキャップなどプラスチック系はほとんど溶けている。

「エンジン下すぞ」

 八九寺のその言葉とともに車体が上がっていき、エンジンだけが残る。

「ここ、穴空いてるな」

 エンジンブロックをよく見ると穴が開いている。

「これでよく燃えなかったよ……。ターボでなおさら」

 ごめん、肉屋のおっちゃん。

「肉屋のおっちゃんもよ、よくこんなエンジン組めたよな」

 八九寺は静かに言う。

「肉屋のおっちゃんなんだろ?しかもこれを一人で」

「そうだな……」

「はあ、FJ20ねぇ……。あるかなぁ……」

 と八九寺はパソコンへ向かった。

「なあ、もう、俺……」

「走れねェっていうなよな。お前はまた走り出す。このRS-Xで」

 八九寺はそういうとまたパソコンに向かった。

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