第2話
「いや〜そりゃ完全に師匠の事が好きなんだよ」
「本当にそうかね」
僕達は英語科の先生達の空き部屋で勉強してる。
殆ど使われないので今は自習室代わりに使っている。
今僕の前にいるのは小学校まで一緒だった赤羽由依。
小学校まで僕、サナ、ユイは同じ学校だったが、ユイだけ中学受験をしてこの中高一貫のこの学校に入った。
僕とサナはというと普通に近くの中学へと入学した。
そして今、僕とサナはユイと同じこの学校へと入学した。
「って言うかもう師匠って呼ぶのやめてくんない?もう僕、剣道教えてもないし、やってもないよ」
「いえいえ、今の私があるのは師匠のおかげだし。師匠はいつまでも私の師匠だよ」
ユイとは剣道塾で知り合った。
僕は小学一年からやっていてユイは三年生になった頃に剣道塾にきた。
学校では、あまり喋らず人前に立つと喋る事すら出来なかったので僕はユイとそこで初めて話した。
一対一ならちゃんと喋れて面白いやつだった。
少し僕の方がやってたのが長いと言うのもあって塾では、先輩面していた。
掛かり稽古や試合も率先して二人でやった。
その時ぐらいからユイは僕の事を師匠と言う。
「ってか、なんでユイは中学で剣道やめたんだ?県大会までいったなら続ければ良かったじゃん。この学校の剣道部強いんだろ。なら個人でも団体でもそこそこいけんじゃない?」
「ま、たしかに続けたらいい結果が出てたかも知んないけど。でもさ、やりたい事もあるしさそれを優先したいじゃん!」
ニカっと歯を見せつける様に笑った。
ユイって感じがする。
初めて会った時より大分変わった。
「あとね、重要なのがね」
ユイはニカって笑ったままこう続けた。
「赤点続きでこのままじゃヤバイんだ」
笑って言うことじゃないぞ。
そう、ユイはマルチタスクは絶対に出来ない。
剣道に今まで集中してたもんだからテストの点は散々だったらしい。
だから今こうして勉強を教えているのだが……。
「なんで中学の内容も分からないだ」
「てへ」
「てへっじゃない」
ってたく本当にコイツは。
本気で勉強教えるか。
ん?
「今ドアの外に誰かこっち見てなかったか?」
「そう?でもまぁ先生じゃない?」
今一瞬白い何かが……。
もしかして、小田切?
「本当に俺の事を好きだったらユイは応援してくれるか」
嘘をつくJK ダンチ @koutttz
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