一日目 その5 神戸空港へ

 目が覚めると飛行機は姫路上空を迂回して、神戸空港に向かっていた。

 隣の母子はというと、子供は真剣ゼミの教材だろうかタブレットに夢中になっていて、母親はその様子をみていた。


 -えらい子、全然暇そうにしてない。こういう方法って新しくくていいなぁ。


 こういう飛行機に乗ると子供はとても暇でしょうがなくなり、ママ、ママ言いそうなのだが、この子はおとなしい。しかも教材に夢中になっている。しっかりした子である。


 飛行機は晴天の空を旋回し、低空飛行に入る。窓から見える飛行機の羽からフラップが伸び、空気抵抗と揚力を調整している。

 さらにスポイラーが逆立ち、減速。そして車輪が滑走路につき、全力の逆噴射。無事飛行機は着陸したのであった。

 

 『これよりすべての電子機器類は使用可能です。』


 そんなアナウンスが流れたので、AQUASの機内モードを解除した。時刻は10時40分。予定よりも20分も早い到着となった。ありがとう北海道の翼。

 外を見ると北海道よりも太陽が高く明るい気がする。


 シロクマのマークがついている毛布を耳をそろえてたたみ、慌てず急がず、前の人や隣の人がが動くのを見届けて、席を立った。

 添乗員に毛布を返し、タラップじゃなくて、搭乗橋(ボ-ディング・ブリッジ)を渡り、神戸空港にたどりついた。


 さすがに暑い。カーディガンを着ていたのだが、さすがに無理で、リュックサックに入れた。今調べたら、当時の気温は28℃だったらしい。


 前の人についていくと、手荷物受取所にたどりついた。まもなく、手荷物がベルトコンベアの上を回ってくる。木彫りの熊が最初に回ってきてとても気にはなったが、気にしないことにして、自分の荷物を探した。


 -似ているスーツケースがあったが、番号が違うのでこれは違う。あ、あった!

 

 あの金日空のカプセルでの別れからの再開である。まぁ、そんなに感動したわけでもないのだが、手荷物タグを取りはずし、出口のくず入れに入れて、自動ドアを通過した。


 さて、尾道までどうやって行くんだっけ。

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ぱかたび =2019年夏 しまなみ海道、愛媛、高知編= あるぱか @arupaka1go

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