2020年10月
エナドリの煙草で「刑務所での煙草の作り方」を思い出した
先日、エナジードリンク着香の煙草葉(シャグ)を買ったんですよ。高校生の頃からエナドリ漬けの僕にとっては、「あら素敵」な商品だったんです。
封を開けるじゃないですか。香りが解き放たれるわけじゃないですか。そのとき感じたのが、バナナだったんです。圧倒的バナナ感だったんですよ。エナドリなのにバナナ…。おかしいじゃないですか。
「まさか、まさかね」
巻いて、吸ってみると、これまたバナナなんです。煙を口で転がすとバナナの風味が鼻の奥に感じられ、吐き出してもまだバナナなんです。おかしいなと思っていると、最後の最後にほんの少しだけエナドリっぽい風味がありました。奥の奥に潜むエナドリ…。
バナナエナジーですよ、これは。
バナナで煙草…。
そういえば、刑務所で煙草を作る方法があるそうなんです。刑務所は煙草が吸えないし、娯楽という娯楽もあまりありませんよね。そこで編み出された、煙草らしきものをつくる方法…。
材料は、バナナと半紙です。
食事で出るバナナの筋を取っておき、乾燥させます。それを細かく砕き、半紙に包んで糊付けするんですって。糊と半紙は意外と手に入るそうです。これで煙草らしきものの完成。
問題は火を付ける方法ですよ。電池を直列で繋ぎ、発生する熱で火をつけるんです。
超危ないですよねえ。
百聞は一見にしかずということで、僕もやってみました。電池を繋いで火を付けるのは一人では無理だったので、マッチで火を付けましたけれども。
味は、まあ……クソまずい。
最初は良いんです。バナナっぽい風味と甘い香りがして、なんとなく美味しいかなという感じがするんです。ところが、後半はもう吸えたものではないと思うくらいにまずい!
以前、雑草を吸った話を書きましたが、雑草煙草のほうが何倍もうまいですよ。
まあ……刑務所内では「煙草をみんなで工作する」という過程とともに、楽しまれているんでしょう。
シャバにいる人間が、わざわざ真似する必要はないな、と思いました。
――追記――
最近改めて調べてみたら、務所でバナナが供されていたのは昔の話で、今は出さないようにしているという話が出てきました。理由は、バナナ煙草工作が危ないからだそうですよ。
そのため、アルミ箔が付いている食べ物なんかもご法度とのこと。アルミ箔がついた食べ物ねえ……チーズとかバターとか?
確かに、電池を繋いで火花を散らすというのは危ないです。アルミ箔はこの火を着ける工作に使われるため、ダメなんだとか。
じゃあ、本当に務所にはタバコとそれに類するものが無いということになりますね。
ドラマかなんかだと、出所後に一服している姿がよく見られますが、実際の受刑者はシャバに出た後にも煙草を吸うのか気になるところです。長い間務所にいたのなら、吸いたい気持ちもなくなりそうなものですが……。
ただ、僕も僕で煙草を数年単位で吸わなかった時期がありましたが、その後、何の気なしにまた吸うようになりましたからね。僕の場合は、煙草が嗜好品として好きだからというのが大きいです。
そういう人は、きっと出所後も吸うんだろうなあと、またバナナ煙草を作りながら思うこの頃。なんでまた作ってるのかは、自分でもわかりません。相変わらず、クソまずいです。
ただ、手巻きタバコだとバナナのフレーバーのシャグ(葉っぱ)があるんですよね。いくつか吸ってみたんですが、エナドリのフレーバーとかなり似ているものの、なんか違うんです。
このエッセイを書いた当時に吸ったエナドリ煙草のほうが、圧倒的にバナナだった。
バナナ系のフレーバーは、まろやかな甘味が感じられます。それでいてどこかスッキリとした喫味のものが多く、バナナのねっとり感が無いんですよね。一方当時吸ったエナドリ煙草を最近吸った感想としては、甘みが少しくどめなんです。
あと、酸味を若干感じるところや、渋みも混ざっているところが、よりバナナっぽさを演出している気がします。
あれからエナドリフレーバーもいくつか試してみましたが、軒並みバナナでした。エナドリっぽさを演出しようとすると、どうしてもバナナになるのかもしれません。
じゃあもうバナナなのでは!?
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