小説での方言について

 僕の書く小説の舞台は、大抵が関西です。東京は行ったことがありませんし、仮に行ったことがあるとしても鮮明にその場所を思い浮かべられるわけではないでしょう。それに、土地柄・人柄・県民性(都民性)も配慮しなければ小説は書けないと僕は思っています。調べればある程度はわかるけれど、実際に頻繁に行くとか住んだことがあるとか、そういう人には「それは違う」と言われることがネット上の記事にはたくさんあるんです。


 だから、自分が住んでいる関西を舞台にすることがほとんど。たまに、頻繁に行く上にある程度はそこで生活したことのある場所ということで、福岡を舞台にすることもあります。


 そういう「方言の強い地域」を舞台にする場合、小説での方言の扱いについて迷うことがあるんですよね。


 会話文を方言で書くとリアリティがありますが、僕はどうしても「くどい」と感じてしまいます。実際、僕は方言小説があまり好きではありません。地の文まで方言だと、読みにくくて仕方がないですよね。


 僕はたいてい、方言を使いません。


 そこで暮らしている人にとって、方言は当たり前に聞こえてくるものです。「その地域での標準語」と言えましょう。だから僕は、登場人物たちがさして気にも止めないだろうということから、方言らしい方言は書かないようにしています。


 書いたとしても、語尾に方言の面影を残すくらいですかね。


 ただ、違う方言を操る人が登場人物として出てきた場合は、方言を喋らせます。たとえば大阪が舞台の小説で、福岡から単身赴任してきた人が出てくる場合は福岡のその年代の人が使うだろう言葉を書くんです。


 それは、その地域での標準語とは言えないから。


 皆さんは、方言、どう扱っていますか?

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