11月

ひらがなカタカナ漢字の感じ

 「ともだち」という言葉。


 友達、だとなんか大人な感じ。大人同士の成熟しきった関係、酒を交わしながら仕事の話とか恋愛の話とかをする関係という印象を僕は受ける。


 ともだち、だとなんか子どもな感じ。かわいらしい。ケンカしながら、泣きながら、大声で笑いながら、走りながら、遊んでいるような言葉になる。


 トモダチ、だと20世紀少年。ケンジくんと遊びたい。



 「ありがとう」という言葉。


 有難う、だと本来の言葉の意味がわかる。有り難し。有ることが難しい。感謝の度合いが高いように感じる。


 ありがとう、だと親しい間柄を想起させられる。友達や恋人に「ありがとうね」と言うような。気軽だけどとても温かい。


 アリガトウ、だと「え? 本当に感謝してる?」と疑いたくなる。



 「よろしく」という言葉。


 宜しく、だとビジネスメールみたい。宜しくお願い致します。実は常用外。「適宜」の宜。ほどよく、という意味がある。「よろしく」と言いながら「気負う必要はないよ」と言ってるみたいで少し優しいのかもしれない。


 よろしく、だとフラットな印象。誰にでも使えそう。


 ヨロシク、だと冗談みたい。明朝体にすると怖い。


 夜露死苦は、暴走族。ぱらりらぱらりら。ブンブンブブブン。「ヨロシクゥ!」と同義。



 ひらがな、カタカナ、漢字はそれぞれ感じが違う。


 漢字ばかりは堅苦しいし、読みにくい。漢文なのか、と言いたくなる。


 カタカナばかりは、ホラーみたい。


 ひらがなばかりは、どせいさん。ぽえーん。


 読みやすさと印象の違いを、両立させて書きたいものだ。

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