喫煙小話「茶葉を吸うという選択肢」
今日、生まれてはじめて茶葉を吸った。
使った茶葉は八女茶。使った機械はヴェポライザーと呼ばれるものだ。機種はFyHit Eco-Sというもの。茶葉だけを吸うのは勇気が出なかったためコルツグリーンティという、お茶フレーバーのシャグ(煙草葉)に混ぜて吸った。
温度は180度に設定。低温でじっくりと加熱すると、徐々にお茶の香りがしてくる。ポットで淹れたときのような豊かな香り。「ああ、お茶やわあ」と言いながら加熱完了を待つ。
加熱完了。
スーッとゆっくり吸ってみる。
なんだこれ。
最初は煙草の味がする。コルツグリーンティの強い酸味と煙草葉の豊かな喫味。喉へのキック感もしっかりとある。酒を飲んでいるためかニコクラ(ニコチンで頭がふわっとする現象)も発生する。煙草だ。
だけど、二口目から露骨に八女茶が主張し始めた。コルツグリーンティの酸味に後押しされるかのように、八女茶の甘さと酸味が強く出てくる。吸っているとお茶を飲んだときによくある「口の中のザラつき」「歯のキシキシという感じ」までしてきた。これは茶だ。紛れもない茶だ。ニコチン入りの茶なんだ。なんだこれは。美味しすぎるぞ。
豊かな10分間を過ごした後、僕は気になって茶葉だけで吸ってみることにした。
まずは茶葉を煙草用のペーパーで巻いて吸ってみる。ダメだ、これはきつすぎる。茶の草原を思わせるような豊かな香りもなければ甘味もない。ただただエグイ。
次にヴェポライザーで吸ってみる。これは…完全に茶だ。先ほどよりもお茶の香りと味が強い。だけど苦みやエグみを感じることは全くなく、茶を飲んでいるときのようなふんわりとした甘みだけが感じられた。煙草を混ぜていないので当然キック感はないが、リラックスするにはすごくいい。酒を飲んで酔っていても感じる茶の味に、朝を感じた。
茶葉を吸うという選択肢も、あるのかもしれない。
ヴェポライザーは「煙草」「ハーブ」両方に使えると、説明書に書いてある。ハーブが吸えるのだから茶葉が吸えてもおかしくはない。これは八女茶だけでなく、紅茶などでも試してみる価値があるかもしれない。珈琲はどうなんだろう。豆だから難しいだろうが、吸えないことはないと思う。
茶葉を吸ってから数十分経つ今でも、口の中に茶を感じる。
お茶は飲んでも吸ってもうまいのか。
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