Can you feel?
太陽に近づきすぎて翼が無くなった天使がいたなあ。なんてことを考えながら寝転んで天井を眺めていると、言い知れない恐怖が心をどんよりと包み込んだ。彼は太陽に手を伸ばそうとしたが、僕は一体どうしているのだろう。ここ数日、全く執筆ができていない。何をどうすればいいのかわからなくなっている。
才能、という言葉が嫌いだ。凄い奴に対して「才能がある奴は違う」なんて言いたくない。ダメな自分に対して「才能が無いから仕方がない」とも言いたくない。生まれ持った才能なんかで人生の勝ち負けが決められてたまるものか。才能なんかで自分の勝ち筋を、勝てる道を決められてたまるものか! クソったれ!
じゃあ、君は努力をしたのか? 自分に問う。才能なんか、と言えるほどに努力を積み重ねてきたのか? 君には才能がないことは確かだ。文章の才能もライターとして生きる才能も、一人きりで人生を過ごす才能も何一つとして持っていない。そんな人間が「才能なんて知るか」と言えるようになるには、足りない才能を補えるほどの大きな大きな努力が必要になるのではないだろうか。
僕は、それほどまでに大きな努力をしたことがない。挫折をして涙を流した経験もない。全部、挫折する前に辞めてしまっているんだ。負けないように勝負から逃げ続けてきたのが僕という人間だ。
それは自分の心の弱さを僕が誰よりも知っているからだ。自分の心の弱さを知りすぎているから、僕は逃げ続けてきた。自分自身を守るリスクヘッジとして、僕は勝負をしない性分を身に着けてしまった。
これからはどうする?
今はどうする?
ここが勝負どころだ。才能がない。文章能力もない。頭も良くなくて、おまけに根性もない。これまで指摘されてきたことを全部カバーできているわけでもないし、これからもカバーできるかなんてわからない。今勝負しなければライターとしての人生はここで終わりだ。今勝負して負ければ、人生はどん底にまで追い詰められる。今勝負して勝てば、人生は一気に華やかな色をつけるだろう。
勝負をしない人間を「運命」とやらは救い出してはくれない。希望の船は近くにすら来ないし、鳥たちにつつかれるまでもなく飛行船は墜落する。それでも明日を待つのか、待たないのか。
僕は、自分の限界はまだこんなもんじゃないと思いたい。良い明日が来ると思いたい。
Can you feel?
この問に「I can feel.」と返せるくらい、頑張らなきゃ。
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