明るくキラキラとしたのは合わない
僕には大勢の親しい友人がいるが、フリーランス仲間がいない。仲間を作る方法は心得ている。有名ライターが開いているようなサロンに行くとか、コワーキングスペースで交流するとか、そんなところだ。
だけど、交流の場に頻繁に顔を出すようなフリーランス達とは、僕は合わない。彼らは明るくキラキラとしすぎているんだ。
毎日楽しくて仕方がない。今の仕事に希望と展望を持っている。夢とか野望とかがあって日々その実現に向かって努力している。やりたいことをしている。そんなキラキラとした輝く太陽のような人は、僕にはあまりにも眩しすぎるんだ。濁った僕の瞳に、彼らのキラキラとした鋭い光が突き刺さってあまりにも痛い。
僕は彼らのようにはなれない。また、なりたいとも別に思わない。
紫煙の充満する一人部屋の片隅で、ただひたすらに文章を打ち込み続ける。時々書けなくなって「クソ」と僕が普段は言わないような汚い言葉を吐き捨て、苛立ちに任せて煙草に火をつけるんだ。あまりにも勢いよく吸いすぎてむせてしまって、「ああぁ」と濁点混じりの声を漏らす。
例えるなら『幻想交響曲 作品14 第五楽章』。醜悪でありながら美しく、ゾッとするような愛おしいような。
僕は明るい場所でキラキラとしているよりも、暗く混沌とした場所で黒々と妖しく輝いている方が好みだ。
僕にはフリーランス仲間がいない。友達に仕事の愚痴を言っても理解は得られるが共感は得られない。時折孤独感に苛まれる。だとしても、僕はそれでいいと思う。それもまた人生さ。人間は孤独であれば簡単に死んでしまうが、僕は孤独だろうとなんだろうと簡単には死ねない。
まだまだこの孤独感を楽しんでいよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます