僕と「ライター」という仕事の関係
投稿中の小説よりも、当エッセイの方が読まれている。恐らくは「フリーライター」という点に何かしら惹かれるところがあるのだろうと思う。それなのに僕はほとんど仕事の話をしなかった。
今回は僕本来の文体で、僕がライターになった理由と、ライターを続けている理由を語りたいと思う。
■僕は「ライターになるぞ」と思ってはいなかった
僕がライターになったとき、別に「ライターになるぞ」とは思っていなかった。
ただ、僕は昔からライティングの仕事というものを経験していた。高校のときにバイト禁止の学校で絶対バレずに稼ぐため、ネットから文章の案件を受けたことがある。文章を書くのが好きだからではない。むしろ嫌いだった。タイピングが速いというだけでライティングの仕事を受けたのだ。初仕事はCrowd Worksから受けた。今では全くと言っていいほど使っていないクラウドソーシングサイトだ。
大学に進学して一人暮らしを始めたときも、生活費を稼ぐためにライティングの仕事を受けた。毎月安定受注。当時の文字単価は0.2円だ。ちなみに今では1.7円となった(2019年8月時点)。今後も単価を伸ばすために精進する予定だ。
大学に行かなくなってからしばらくは仕事を転々とした。覚えている限りでは次のような変遷だったはず。
コンビニ→工場のライン作業→ホテル清掃→輸入雑貨系ECサイト運営事務→バー→風俗店→フリーライター。
以上の仕事を半年間で転々としていた。ちなみに、一番長く勤めたのは風俗店だ。一番仕事が楽しかったのも風俗店だ。正直ライターの仕事よりも楽しかったと思う。今となっては。
ま仕事を転々としていると、自信をなくす。自分が嫌いになる。嫌になる。面倒くさくなってしまう。だから目の前にあるPCから仕事を受注できるライターの仕事をするのが楽だった。そんな逃避から始めたような気がする。
■ライターを続ける意味はあった
明確にフリーライターとして名乗りを上げたのは僕が20歳になってからだ。現在は24歳。もう4年は続けていることになる。
それでも年に2~3回ほどライターを辞めようとする時期がある。実際にライターを辞めようと思ってスーツを買い、面接を受けたこともあった。結果内定を貰ったけど辞退して結局またライターを続けている。その時内定を貰ったのはとある風俗店だ。やはり楽しかったのだろう。それに年収高いしね。重要だよ。
僕が結局ライターの仕事に戻ってしまうのには理由がある。
ライターになろうとは思ってなかったが、ライターを続ける理由はあるからだ。
ライターを続ける理由は、主に約束だ。
昔、姉と約束をした。姉は戸籍上は姉ではなく赤の他人に過ぎないのだが、僕からすれば実際の家族よりもずっと家族らしい関係だ。その姉が生前に言うのだ。
「私は外で働いている。君は高校を卒業したらライターになって家にいて」
それで僕は「せやな」と姉と約束をした。軽い約束だ。結局姉は僕が高校生の頃に亡くなった。僕が大学に進学したのは姉が亡くなって約束が反故になったと思ったためだ。それでとりあえず大学に行って普通に卒業して普通に就職しようとした。まあ結果失敗したわけだけど。
ただ、約束は果たせなくなったとしても続けられる限りは姉の言う通りライターを続けようと思った。
だからライターを続けている。
■実は結構崖っぷち
実は結構崖っぷちというか……既に崖から半身を投げ出している状態だ。
僕の去年の原稿料は毎月30~37万円程度だった。一昨年も25~30万円程度は稼いでいた。一方今年は7~20万円だ。先月は7万円だった。別に仕事が減ったわけではない。単価もむしろ上がった。これは僕の精神的不安定によるものという面もある。
ただ、「求められるクオリティに付いていくのに必死」というのが主な理由だ。
求められるクオリティを実現するには時間がかかるようになった。時間がかかっては稼げなくなるのは必然である。昨年は2000~4000文字程度の記事を月々80記事くらいが平均だったか。100記事を超えた月もあった。それが今は20記事前後だ。今月は30記事くらいになりそう。来月は50記事はいけそう。ペースを取り戻しつつあるものの、それは単に「長時間の執筆に耐えうる精神になったため」だ。根本的に技術的問題が解決したわけではない。
ライターとして今後も生き続けるには、技術を上げていかなければならない。
今、このエッセイは「構成も考えず、推敲もしていない」という状態だ。だから仕事の記事のクオリティとは大きく異る。
仕事の場合、情報を集めてターゲットの分析をして構成を考えるのに1~2時間。執筆に1時間。推敲に1~2時間程度かかる。推敲は3度行う。文章をカットしたり追記したり、順番を入れ替えたりすることが多いからそれくらいは必要だ。
フリーライターとして生きるのは骨が折れる。残業なんて概念もないし。誰かが教えてくれるわけではないから成長するには自らの力で成長するしかない。たまに、サラリーマンが羨ましくなる。
それでも僕は、状況が許す限りはライターとして生きようと思う。
まあ……今年が瀬戸際だ。
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