『Nowhere』どこにもいないから、どこかに居たい。
"空を飛ぶ夢を見てたのはまだ僕らが子供のふりしてた頃
リアルな未来が恐くて 時間を止めたいと願ってた"
これは、僕が好きなバンドthe pillowsの『Nowhere』という曲の出だしのフレーズです。
僕の心には常に「未来を想像するのが怖い」という気持ちがあります。自分に都合のいい未来を夢想することは楽しいのかもしれません。だけど、その後必ず現実に引き戻されるんです。夢想していた楽しい未来は現実世界と地続きになっているだけの未来に変わります。
僕は思うんです。
自分の現状と地続きな未来が、楽しく明るく希望に満ちているわけがない。
だからと言って後悔している過去を変えたいとは思いません。現在の人間関係を捨てることになりかねませんからね。それに過去に行くのは嫌です。過去を思っても恐怖は湧いてきますから。
未来にも過去にも行きたくないわけです。一生現在でいたいんですよ。
まさに『Nowhere』(どこにも……ない)です。どこにも行きたくない。どこにも居ない。
the pillowsの『Nowhere』も"今はもうどこにもいない"で終わります。
また、この曲の歌詞でもう一つ共感する部分があるんですよ。
"沈み続けて
深海魚のように潰れていたいんだ
ねえ どうしてなんだろう
何も欲しくない"
"何も欲しくない"
僕は何かを強く欲して行動することがあまりありません。昔はもっと欲しがってたんですけどね。今は彼女もいらない。好きだった特撮グッズも別にいらない。大金もいらない。名誉も称賛もいらない。そんな気分です。
ただ、同時に僕は根源的にこう思っていることをよく実感させられます。
本当は、大金が欲しい。遊び尽くしたいんです。海外のカジノにも行きたいし、ボートレースで100万円ポンッと賭けてみたい。金持ちにしかできない道楽も経験してみたいんです。彼女もほしい。結婚もしたい。特撮グッズもほしい。名誉も称賛もほしい。愛情も友情も希望も絶望も、悲しみも喜びも全部ひっくるめて欲しいんですよ。
結局、”何も欲しくない”というのは”全部欲しい”の裏返しなんですよね。
全部欲しいからわけがわからなくなって、何も欲しくないと錯覚するのかもしれません。
どこにもいない。どこにも行きたくない。それは居場所が欲しい。どこかに行きたい。そんなことの裏返しなわけです。
現在執筆中の『フリーライターと妄想世界』には、そんな価値観を少し反映させています。基本的に一話完結の短編集的なものなので気軽に読んでみてください。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890885334
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