タイトルからしてものすごく好みです。つきのさんは、詩だけではなく、短編作家としての資質も十分にお持ちだと思います。
夜ヲ想う、ウタ。ここにあるものは、正義や邪悪などと言った尺度では測れぬ、とても濃ゆい、深淵の話です。発想もいちいち、素晴らしい。
つきのさんは、半分を光の中で過ごし、半分を冥界で過ごす、デーメーテールのような方なのかもしれません。つきのさんの中には、ブラックボックスがあるのではないでしょうか? それが何かは、つきのさんご自身にしかわからない。私たち読者は、そのごく一部を、つきのさんの作品を読むという形で、伝えられているわけです。
作者と読者という関係性、この連作を読む者は、私を含めて、つきのさんとよく似た、夜に生きるところがあるのかもしれないと、勝手に思っています。
面白い、という言葉がふさわしいかどうかは判りませんが、とても面白い話を、ありがとうございます。
これからも、ご健康にお気をつけながら、どうかもっともっと、書き続け、読まさせてくださいませ。