閑話 ❨ 夜の深淵に棲むモノたち ❩

◆女(夜ヲ想ウ、ウタ)……

心の深淵を覗きこみすぎて、墜ちてしまった。夜に魅せられて夜と混じり合い、夜の深淵となる。遺された声のあぶくは” 夜ヲ想ウ、ウタ ”


◆黒猫……

夜の深淵そのものであり、一部。

話すことができる。黄金色の瞳。尻尾はフウワリと広がり子どもくらいなら運べる。


◆暗黒をまとう男……

全てに疲れきり全てを憎み、夜の深淵に墜ちてきた男。声を聴き、想うことについて考えるようになる。

周囲に暗黒の闇をまとっている


◆魅せられた老婆……

墜ちる女を見て、そのあぶくの歌を聴いて、魅せられてしまってから、離れられず、ずっと居る。元は漆黒の髪を讃えられていた。


◆果てを視る目……

二つの目が極端に大きな老爺。夜の深淵の先にある『果て』と呼ばれる虚無を見張っている。彼もまた、” 夜ヲ想ウ、ウタ ”に魅せられた一人。


闇鴉やみからすたち……

夜の欠片が姿を変えたもの。

二羽は大抵、交互に囁く。たまに同時に話すこともあるが。

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