第4話Plan

僕は研修の3日間で全ての物語を書いた。

何も特別な事を書いたわけでもない、学校の中で起きる事なんてたかが知れてるからだ。書く前から分かっていた事だが、何故が悔しい。僕の小説の中では、主人公に見立てた僕は何振り構わずその物語を遂行していく。今までの僕の小説は僕が僕にして欲しい事を書いていたのだと今更知った。

駿の為に作った物語の原稿をぐしゃぐしゃにしてゴミ箱に押し込んだ。僕らが生きるこの現実の世界では作られた物語の上で起きているんじゃない。未来の事なんて誰もわからない。もし、駿が僕の作った物語の上で成功したとしたら、それはもう僕が作った物語じゃない。未来は本人が行動しないと変わらない。今まで現実から逃げて来た僕に気づくことができた。もう僕は明日を描く事はしない。

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