知らないくらい

@Meranco

言葉が出ないくらい

高校最後の夏休み終盤だというのに相変わらず涼しい部屋で引きこもりをしている僕

外では、蝉が鳴いていて夏という季節感と7日間しかない命の儚さを感じさせてくる。

同じ日々がただ流れていく中でまた少ない夏休みが終わっていく、特に何もすることなく夜になっていた。

夜は好きな君からの連絡を待っている僕と返事を返そうとして忘れてしまっている僕がいる。

僕自身もどこか矛盾している気がしてまた今日もかと自分に呆れているそんな夏の夜だ。

時間が過ぎていくだけの空気感から脱出したくて僕は、まず君からの返事を返して待った、僕の部屋には冷房の音しかない空間にどこか寂しさと夏というどこか特別な意味をしている空気感を感じていた。

僕は、ふとアイスが食べたくなり取りに行き食べた。

その瞬間、昨日も食べた味にとてつもない美味しさを感じた。

夏の夜に涼しい部屋で食べたチョコミントを美味しさに僕は頭から離れない、忘れられなくなった。

ほんのりと口に残る特別感を感じさせてくれるアイスの美味しさに浸っていると君から返信がきた。

「今から会わない?」

急なことで驚いたけどそんな漫画みたいなことってあるのか?

変に考え込んでしまう。

「いいよ」

気づいたらそういう風に返していた。僕はどこかで君とこの満足感を共有したくなったのかもしれない。

「わがままじゃないか」

不意に思う本音。

そんなこと考えているより急がねばと思いとりあえず急いで君と待ち合わせした場所へ急ぐ。

向かう途中チョコミントのことを思い出してコンビニに寄って君が待つ公園へ走る

少し息切れした僕に少し暑がっている君が微笑んでくる

「そんな走ってこなくても怒らないよ(笑)」

深呼吸して落ち着いたら買ってきたアイスを君に渡す

「チョコミントって美味しいんだよ、不思議なくらい。」

少し溶けてしまったチョコミントの棒アイスを二人で食べる瞬間を僕は忘れられなくなった。

口に入れたら、美味しさに幸福感を感じた。

「確かに美味しい、なんでだろ」

一緒のアイスをほおばっている君は真夏の暑さに負けないくらい眩しく可愛らしい

「急になんで会おうと思ったの?」

「会いたくなったって言ったらうさんくさいけど、ちゃんと理由をつけるならLINEじゃなくて直接話したいことが見つかった」

「結局会いたいんじゃん(笑)」

知りたいことを聞いたら君から出た言葉に嬉しさを隠せない自分がいた。

君はブランコのほうへ僕を引っ張る。

「話したいことって何だと思う?」

少しじらしてくる君。

「わかんないよ」

「君のことが気になってしょうがないって言ったらどうする?」

君の言葉には驚かせられる。僕は言葉を失った

「そんな漫画みたいなことってある?」

「だってさ、気になるものは気になるし好きな人は好きってなるよ。そういう感情なんだし正直にいたい。感情は押し殺せないものだよ」

君の真っ直ぐな言葉に僕はやられたのかもしれない。君の真っ直ぐな感情に僕も正直にいたいと思った。

「君には勝てないな(笑)」

「勝負じゃないよ(笑)」

「正直に言うとこんな漫画みたいなことあるわけないと思ったから凄い驚いてるよ」

「ありがとうこんな感情をくれて。」

「僕は君を離したくないんだけど」

急に僕に抱き着いてくる君。真夏の夜には少し暑い気がしたのに暑いというより暖かいきがした。

「君のそういうところがずるいんだよほんとうに」

「お互い様だね」

二人で見つめ合って笑い合った瞬間を幸せに感じた。

「そろそろ帰ろっか」

僕は君に手を差し出し小さなぬくもりが手のひらを包んでいった。

手を繋いで歩くかえりみ帰り道に何とも言えない感情になっ夏の夜だった。

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