第1話
青く晴れた空雲一つないそんな輝いた上空を見ていると声が聞こえてくる。
「こっちで遊ぼうよカシユ」
元気な女の子声がカシユを呼ぶ、それにこたえるようにカシユはそちらへ走りだし近づいてカシユは聞く
「何して遊ぶのシオン」
カシユは明るく聞く、空を見ていたことを忘れ遊ぶことで頭のなかが埋め尽くされる。頭のなかには楽しいことがいっぱいであった。そうカシユにとって友達と遊ぶということはなによりも大切なことであり繋がりであった。
「森に探検でも行こうよ」
シオンはカシユを誘う、それにつけ足すようにもう一人を誘おうとする
「じゃあさ、ベルもよぼう」
カシユがいうとシオンはその案に賛成し二人はベルの家に元気に青空の下を走って向かい目的地につくと同時に大きな声でもう一人の友達であるベルを呼ぶ。
「ベル、森に探検しに行こう」
その声を聴き玄関から飛び出るように現れ返事をする
「いいぜ行こう」
三人は元気に森に走り出す。そこの森自体には何回もいったことがある三人は迷うことなく目的地に着く。そこは小屋である出入り口の上には秘密基地の看板が飾られている、その下をくぐり三人は小屋に入るそこには机を囲むように三つの椅子が置いてある、その近くに少し長い木の棒も置いてありその木を持ちカシユとベルは表に出て戦いのあそびを始める。それを楽しそうに見つめるシオンそんなことをしているうちに日が落ち夕方になる。これがこの三人の日常であるそうどこにでもある、ごく普通の日常である。
「今日も楽しかったね」
「うん、そうだねじゃあ明日も遊ぼうね」
「それより、明日は別の事をしようよ。戦いの真似事ばっかで楽しくないよ」
そういわれカシユとベルは目を合わせている、そんな二人にシオンは聞く
「じゃあ明日は人形で遊ぼいいよね」
笑顔できいてくる。目は反論は聞かない。そんな強い意思がある。カシユとウォンはしぶしぶうなずく。そして三人は帰ろうとする途中、ベルは二人の足を止める
「俺たち大人になったらここの村を出て一緒に冒険しような。」
それについて二人は当たり前だろうと言う。そして三人は村まで競争をして帰る。
これがこの三人の日常であった、気がついた一緒にいて共にいるそんな仲であった。
それから十年後三人は十五歳になっていた。カシユは刀の技術を、ベルは片手剣と盾の扱い、シオンは弓や銃の扱いを学んでいたが三人は会う機会が減っていた。そしてある日久しぶりに三人は再開するのだ。
カシユが一人家に帰ろうとしていたときであった。
「ようカシユ久しぶりだな、元気だった」
ベルは歩てくるカシユに向かいしゃべりだす。カシユは久しぶりに会うのにも関わらずベルはいつも一緒にいるかのように話しかけてきたがカシユは気にすることなく返事をする。
「久しぶりだなベルそっちも調子はどうだ」
ベルの姿を見て聞いていると二人にとびかかる一人の女の子が来る
「何してるの二人集まって」
その声の主はシオンであった、偶然にも三人が揃ったのであった。だがシオンの行動にもまたカシユは違和感を感じていた。
「重いから降りてシオン」
「重いとは失礼なそんなこと言ったらダメだよ。それよりねえ、久しぶりだし三人でご飯でも食べに行かない」
シオンは久しぶりに会えた喜びから、二人を誘うがカシユは断る
「ごめん俺はこの後ようがあるから今日はごめんまたこんどな」
カシユはこの誘いを断る。なぜならベルとシオンは成績が良くカシユの成績が良くなくコンプレックスで断った。元々の家柄シオンの家は銃や弓の名手が多かったり、シオンの家系もまた剣や盾の扱いを得意とするものもが多かった。いわゆるエキスパートである。それに加えカシユの家系はいたって普通の家柄であった。そんな三人が小さい頃から共にいたのかカシユはわからないでいた。
そしてシオンとベルは二人でご飯を食べに行った。そのまま一人カシユは家に帰り眠りについた。それから何時間が過ぎたときである、とてつもなく大きな音がカシユの目を覚ます。
「カシユ、起きてあんたは逃げるよ」
カシユの母親が扉を壊れるぐらいの勢いで開ける。その顔は今までにない表情をしている、その顔を見たカシユは普段は寝起きが悪いのにこのときだけはパチリと目を冷ますがろれつが回らない
「なんなの」
だが頭が回らなくとも体が今のこの状態が以上なのはわかった。それはカシユ自信が狙われていると言う危機感からである。
「いいから早く」
母親はカシユの手を引くとそのまま走りだし外に出ると、周りは火の海で石のように死体が転がっている。あたりから悲鳴が鳴り響き耳を塞ぎたくなる断末魔が終わらない。
「助けて」、「来ないで」、「やめてくれ」、「殺さないでくれ」
悲鳴が上がる
「死にたくない」、「子供だけは」
助けを呼ぶ声
子供を逃がそうとする親、守ろうとするものそれでも救われない命。そんな状況でカシユの頭はおかしくなりそうであった。すると全身血まみれで右手に剣、左手に死体を引きづりながら歩いてくる。瞳孔は開きたった一つの獲物を狙うかのようである。そんな目とカシユの目が引き合う
「見つけた、君だね」
殺人者が言う。そいつはカシユの目ではなくなにか別のとこを見て言葉を放った。そも言葉にカシユは全身を震わせる。そして近づいてくる、そんな中でも殺人者に立ち向かう人数人いたが殺されてしまう、そのなかの一人がこちらを向いて言う
「逃げろ、早く」
最後の力を振り絞って言う
殺人者は近づいてくるがカシユは動けない、その時一人が腕を引っ張る
「早くこっちに来て」
母親は走り出した
「でもみんなが」
振り返ってみると血だらけのシオンをかばい殺されるベルの姿を目にする。そしてそのあとすぐにシオンも殺される。そう立ち向かったのはシオンとベルであった。その光景を見て足を止めそうになるカシユであったが立ち向かう勇気がなかった。いや死にたくないと思ったのである。
「いいから早く」
手を引っ張られ連れられるように逃げていく、どれぐらい走ったかもわからないぐらい走り続けたそれでも聞こえる悲鳴
そしてある部屋で止まる、その部屋には壁画が描かれていた。どんな意味があるのかはわからないし、それよりも暗くてまともに見えないでいた
「カシユは死んではいけないあなたには世界を··があるから」
そういうと後ろから襲われ、カシユの母親は殺される。この言葉と刀を持ち血だらけの姿で立つ一人の男を見て
「おれはお前をこの手で殺す」
カシユと男は口をそろえて言い、カシユは覚悟を決めて走り出した。
「うああああああ」
叫びながらカシユは男に走り向かい、カシユは体の内から出る大きな力に飲み込まれ気を失う。気を失っている間はなにか強い力に酔っているそんな感じであった。そしてそこから一気に現実に戻る。目を覚ましあたりをみると全体が白く清潔感で満たされた場所であったそれは病院のようだ。病室にはカシユ一人しかいない、白い病室は力に飲まれているときの黒い感じとは対極的であった。だからなのかカシユの体は浄化されるかんじである。
「やあ、目を覚ましたようだね少年」
じいさんがカシユの病室に入りながら言う。そのじいさんの姿は優しさに溢れた存在感である、そんななかにもなにか強さがある。
「あんたは誰だ?」
この言葉が最初なのはおかしいと感じたがなぜだろうか、なにか胸にひっかかるこのもやもやしたかんじ、それをかんがえることなくじいさんは返事を返す
「わしはただのじじいだよ。それより君は自分の名前は言えるかい少年」
そういいカシユのベットの隣たつ。優しい目で見つめる
「俺の名前は龍の一族のカシユだけど」
カシユはまだ思い出せない
「名前は言えると・・・では本題に入るけどいいかい?」
深刻そうな顔をしながら聞く、そうこれからカシユが忘れていることをすべて説明するのであった
「いいですよ」
それをみて慎重に答える、カシユの中に緊張がはしる。
「君がなぜここにいるかわかる?」
何かを思い出せカシユはそう言われているかのように感じる
「それは・・・」
そして思い出すあの出来事を、なにもできずにただ眺めるしかできず、聞きたくない悲鳴と自分の力なさを。だがカシユは思い出せないでいた自分が最後に言った言葉とあの男の姿
「みんなはどうなったの?」
立ち上がって聞こうとするが立ち上がれない、それに結果を知っている物語のようなものなのについ聞いてしまう。嘘だと誰かは生きているの信じたいからだ、それに現実を受け入れたくないからだ。それでも告げられる嘘のない辛い現実を
「あの村にいたものは君を除いてすべての死亡が確認された」
その言葉を聞いてなにも言えなかった。わかっていたはずの答えなのにカシユの心は崩れ落ちていく。そんな姿を見て声をかける
「今はゆっくり休みたまえ」
優しく声をかけるが、カシユはそんな言葉を聞きたいのではない、別の何かを聞きたい
「次に来るときにあること聞く、つらいかもしれないが体調を直しといてくれ、わしは帰るよ」
いまこのじいさんを帰していいのか、いやだめだろ今の状態で答えないと意味がないんだ。何もできず、耳をふさぐことしかできず、逃げ惑う情けないこの怒りの感情をを嘘にしたくない。なにより友の死んだ姿を忘れないためにカシユは声を出す
「待ってくれ、じいさん今答える」
プロテクトフレンド 櫻井誠 @nozomu11096
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